「3回目接種だけじゃない。所信表明演説で浮き彫りになった岸田総理の問題点」
11月の総選挙を経て、第2次政権の発足に漕ぎ着けた岸田総理が月曜日、衆参両院の本会議で所信表明演説を行いました。
演説は冒頭から、「私は、新型コロナを克服し、新しい時代を切り拓くという極めて難しい課題に、国民の皆さんと共に挑んでいきます。」「みんなで協力し、この国難を乗り越え、その先に、新しい時代を創り上げていこうではありませんか。」という呼びかけから始まるもので、口下手だった菅前総理とは対照的に、優しい言葉を連ねました。
温厚そうな人柄が滲み出ており、良い演説だったと感じた人も多いかもしれません。
でも、決して鵜呑みにしてはいけないと思います。今回の34分余りの演説で、岸田総理が何をどうするのか明確に語ったのは、『コロナ対策の病床確保』と『無料の検査の拡大』、『賃上げを後押しする企業優遇税制の強化』、『給付金』などのいわゆるバラマキ策ぐらいだったからです。マスコミが競って取りあげた3回目のワクチン接種の前倒しも、演説の演出としては上手だと思いますが、具体的な中身は何もありませんでした。
加えて、新時代を開拓するための経済政策も、そして安全保障も肝心なことは先送りのオンパレードだったんです。
もっと言えば、来年7月上旬に行われる可能性が強まっている参議院議員選挙へ向けて、国民や有権者にとって耳触りの良い、無難な人気取り策だけを前面に打ち出しておく所信表明演説だったと思うのです。
逆に言えば、日本が直面する不都合な真実を伏せた演説で、国民にネガティブな印象を持たせないものだったわけです。そこで、今日は、この所信表明演説を、
町田徹の視点で丸裸にしてみたいと思います。
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