「復興まちづくりのトップランナー」
東日本大震災以降、こう評価されてきたのが、宮城県女川町です。
女川町は14メートルを超える津波で住宅のほとんどが流出。800人以上の方が亡くなるという甚大な被害を受けましたが、震災からたった5ヶ月で町の復興プランを作り上げ、町に暮らす人々が中心となって100年先を見据えたまちづくりに着手。高い防潮堤で海を隠すのではなく、景観を保ちながら賑わいを取り戻すという唯一の手法で震災後注目を集めました。
その女川町のまちづくりのキーパーソンの一人が今週の講師、土屋信行さん。東京・多摩ニュータウンや汐留再開発など自治体職員として様々なまちづくりに関わってきた土屋さんは、震災から1カ月後に女川町へ入り、その知識と経験を町の復興に注ぎ込んできました。
いま日本各地で、災害に強く10年先、100年先の賑わいを見据えたまちづくりが求められています。今週は土屋さんが発表した本「災害列島の作法」でも語られている女川町のまちづくりを例にこの課題を考えていきます。
未来授業1時間目。テーマは「女川町の海が見えるまちづくり」
◆土屋信行(つちやのぶゆき)
工学博士。公益財団法人リバーフロント研究所技術審議役、一般社団法人全日本土地区画整理士会理事、日本河川・流域再生ネットワーク代表理事、水の安全保障戦略機構・水害BCP推進チーム事務局長、ものつくり大学非常勤講師。
1975年東京都入都、道路、橋梁、下水道、まちづくり、河川事業に従事。この間環状7 、 8号線の設計・建設、下水道処理場・ポンプ場の設計・建設、多摩ニュータウン、つくばエクスプレス六丁目土地区画整理事業、秋葉原および汐留再開発事業、江戸川区の「ゼロメートル地帯」安全高台化土地区画整理事業のまちづくりに携わる。ゼロメートル地帯の洪水での安全を図るため2008年に江戸川区土木部長として海抜ゼロメートル世界都市サミットを開催し幅広く災害対策に取り組んでいる。東日本大震災の復興では学識経験者委員として宮城県女川町のまちづくりに取り組んだ。新著に「災害列島の作法」がある。
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