産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「枯れ葉」
現代の片隅で、孤独を抱えながら寄り添おうとする男女を描いたラブストーリーの佳作。今年のカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した。ヘルシンキ。アルコール依存症で仕事が長続きしないホラッパと、賞味期限切れの商品を持ち帰っただけで解雇されたアンサが出会う。2人は引かれ合うが、互いの名前すら知らなかった。
不遇な労働者たちを見つめる作品で知られるアキ・カウリスマキ監督が、引退宣言を撤回して発表した。
■「ポトフ 美食家と料理人」
トラン・アン・ユン監督が、19世紀の仏を舞台に、極上の料理を生み出すことに懸ける男女の絆を描いた。今年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。美食家のドダンは、自分のアイデアを完璧に再現する料理人、ウージェニーを信頼し、幾度も求婚する。プロとして自立していたい彼女は辞退し続けるが、ある日、病に倒れ…
■「ティル」
1955年、米ミシシッピ州で14歳の黒人少年、エメット・ティルが白人女性になれなれしい態度を示したことで怒りを買い、凄惨なリンチの末に殺され、川に捨てられた。「エメット・ティル殺害事件」の初の劇映画化で、母親のメイミーの視点で描かれた。
メイミーは、この陰惨な事件を世間に知らしめるため、葬儀の際に変わり果てた息子の遺体を弔問客とメディアに公開。社会に衝撃を与え、キング牧師らが率いた公民権運動を一気に加速させることになる‥
■「香港の流れ者たち」
香港映画。実際にあった裁判を下敷きにした社会派の人間ドラマだ。強制退去させられた主人公のファイらホームレスたちが、政府に賠償と謝罪を求めて訴えを起こすところから物語は始まる。
ひしめき合う清潔な超高層ビル群の足元で、ファイたちは土地開発に伴って住む場所を追われ、日常的に薬物を使用する。日々は悲痛だが、仲間を思いやる心もある。だが、裁判を契機にファイは孤立する‥
■ナビゲーター 德重翠(木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾)
■「シネマプレビュー」では、産経新聞文化部の映画担当記者が試写を見た感想を率直にレビューします。メジャーな作品から、上映館数の少ない玄人好みの作品まで、幅広くセレクト。単館上映の作品は観るのをためらいがちですが、記者による踏み込んだ感想で「観に行きたくなる」こと必至。新聞社としての信頼と自信を持って魅力をお伝えします。
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