「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」 「言えない秘密」 「WALK UP(ウォークアップ)」 「プロミスト・ランド」
■サムネ画像は:映画「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」©2023 GDH 559 Co., Ltd. All Rights Reserved / ReallyLikeFilms
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」
双子の中学生姉妹の絆、思春期の揺れる心を丁寧で繊細な表現で、しかも、びっくりする手法も使って描いたタイ映画。少年少女向けの佳作だ。日本はアニメ一辺倒で、少年少女向けの実写映画がほとんどないことを考えたら、貴重な一編ともいえる。中学生のユーとミーは、一卵性双生児の姉妹。生まれたときから常に一緒で、なんでも共有してきた。だが、世紀末に揺れる1999年夏の田舎町で、2人の関係は少し変わってしまう。初恋のせいだ。日本の10代にとっても忘れられない夏の映画になるのでは。
「言えない秘密」
留学から音大に復学した樋口湊人(京本大我)は、学内で謎めいた内藤雪乃(古川琴音)と出会う。二人はひかれ合うが、雪乃は湊人の前から姿を消す。SixTONESの京本と映画、ドラマに引っ張りだこの古川。新鮮な顔合わせのファンタジー恋愛映画だ。同名の台湾映画を原案に「身代わり忠臣蔵」などの河合勇人が監督。その台湾映画は「時をかける少女」(大林宣彦監督)のオマージュのような味わい。
「WALK UP」
シンプルさが特徴のホン・サンス監督らしく、舞台は4階建てのアパートのみ。主人公と女性たちとの関係をモノクロ映像で4章立ての物語に仕立てた。第1章では映画監督のビョンスがヘオク所有のアパートに来る。第2章は、ビョンスとヘオク、ソニが2階で酒を酌み交わす。第3章は3階でビョンスとソニが暮らしている…と、章ごとに時間が経過し、舞台は上の階に移動する。アパートが、まるで転落するビョンスの人生の4場面を積み重ねたように見えるのが面白い。
「プロミスト・ランド」
禁じられた熊撃ちに挑む男たちを描いた小説現代新人賞受賞作を、ドキュメンタリー映画「MATAGI-マタギ-」を撮った飯島将史監督が映画化。山あいの集落。「熊撃ちをやろう」。兄貴分の礼二郎(寛一郎)から、自然保護を理由に禁じられた熊狩りの決行を持ち掛けられた20歳の信行(杉田雷麟)は、惰性で生きる日常を捨て、ともに山に入る。劇中音楽も、せりふすらほぼない。銃を構え身動きしない礼二郎の前へと熊を追う信行の絶叫、息遣いだけが山に響き渡るクライマックス。生命の躍動にひたすら圧倒される。
■ナビゲーター 德重翠(木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾)
■「シネマプレビュー」では、産経新聞文化部の映画担当記者が試写を見た感想を率直にレビューします。メジャーな作品から、上映館数の少ない玄人好みの作品まで、幅広くセレクト。単館上映の作品は観るのをためらいがちですが、記者による踏み込んだ感想で「観に行きたくなる」こと必至。新聞社としての信頼と自信を持って魅力をお伝えします。
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