世界有数の金融センターである都市、香港。
ビジネスや観光で滞在する人々が、世界中からたくさんやってきます。
中には、一獲千金を夢見て、母国を後にしてきた人も。
アフリカ大陸の東側、赤道から少しだけ南側にある国、タンザニアから香港にやってきた交易人たちが紡ぐ人生模様を彼らとともに過ごし、観察していったのが、『チョンキンマンションのボスは知っている -アングラ経済の人類学』という1冊です。
昨年、大宅壮一ノンフィクション賞、河合隼雄学芸賞をダブル受賞した、この本を記したのは、立命館大学の大学院で、文化人類学を指導している小川さやかさんです。
一部の旅行者からは“魔の巣窟”ともいわれる、ディープな香港を体験できるスポット、“チョンキンマンション”とは、どんなところなのでしょうか?
未来授業1時間目、テーマは「チョンキンマンションのボスに出会う」
◆小川さやか 1978年愛知県生まれ。専門は文化人類学、アフリカ研究。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程指導認定退学。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員、同センター助教、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授を経て、現在同研究科教授。『都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)で、2011年サントリー学芸賞(社会・風俗部門)、『チョンキンマンションのボスは知っている――アングラ経済の人類学』(春秋社)で、2020年、第8回河合隼雄学芸賞、第51回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。そのほかの著書に『「その日暮らし」の人類学――もう一つの資本主義経済』(光文社新書)がある。
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