学校の先生の過重労働が大きな社会問題として注目される中、「部活動」をめぐる議論が広がりを見せています。教師の長時間労働を解消する「本丸」ともいわれるこの問題は、すでに文部科学省が部活動の日数を制限するガイドラインを出すなど対策も打ち出されていますが、問題解決には至っていません。
長い年月をかけて根付いた「教師は部活をやるものだ」という文化。保護者や地域の期待。そして先生自身の「子どもたちのために」という過剰な意識。こうした様々な思惑が部活を過熱化させ、一方、SNSには「本当は部活をやめたい」という先生たちの声があふれているのが実態です。
そんな中、大きな期待を集めている方法があります。部活動を学校ではなく、地域や民間にゆだねるというやり方です。先生の負担減という意味ではとても有効に思えるこの方法、実際問題解決の切り札と言えるのでしょうか。
未来授業4時間目。テーマは「地域移行、外部委託は救世主になるのか」
◆内田 良 (うちだ りょう)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科 准教授
学校リスク(スポーツ事故、組み体操事故、転落事故、「体罰」、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなう。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『柔道事故』(河出書房新社)など。
公式サイト http://www.dadala.net/
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