人間は、心情的に一つとなり、真の愛の中で同位となり、生活の中で深い感情の通じる、分かつことのできない父子関係としてつくられました。神様は、愛の対象である息子、娘の人間と共に愛を完成するという創造理想を立てられました。これが真の愛の理想の成就です。
人間始祖アダムとエバを創造された神様の創造目的を要約すると、彼らが神様の真の愛、真の生命、真の血統の結実を完成した善の家庭を立てることです。アダムとエバは家庭を基盤として、子女の心情、夫婦の心情、父母の心情を育みながら、段階別に、また分性的に神様の愛を体得し、安着して完成するのです。このように創造されたアダムの家庭で、神様を中心とした真の愛の理想が成し遂げられていたなら、最初の天国家庭になっていたのです。
また、アダムとエバという真の父母の家庭を中心とする天国理想は、氏族、民族、国家、世界へ拡散すべきでした。真の愛の家庭の伝統が、世界の伝統につながっていたでしょう。その世界は、無形の絶対なる真の父母、真の師、真の主人であられる神様に似て、すべての属性を相続した真の父母を中心とする世界です。そして、天の国は、神様と有形、無形の一体を成した真の父母が、縦的な軸となって、子女たちが、上下、前後、左右、内外に調和を成し、自由と平和と統一と幸福の生活を出発した世界です。
人は地上の肉身生活を終えると、霊人体は無形の世界である霊界に行きます。これは、地上生活の延長であり、そこでもやはり天国理想を完成するようになるのです。もしも、そうなっていれば、宗教を中心とした神様の救援摂理やメシヤの降臨は必要なかったのです。
しかし、不幸にもアダムの家庭を中心として成し遂げようとされた神様の天国理想は、アダムとエバが堕落することによって成就されなかったのです。これは、アダムとエバがサタンを中心とした偽りの愛によって偽りの父母となったからです。彼らは神様の祝福とは関係のない、偽りの夫婦、偽りの家庭をつくり、偽りの生命、偽りの血統を子孫に伝授しました。サタンが怨讐の立場で血統を変えた恨を神様に残したのです。
こうして、彼らは神様を失ってしまい、神様に侍って暮らす聖殿を完成することができませんでした。かえって、彼らの体は悪魔サタンの巣窟となり、絶対価値を指向する霊性が零落し、無形の世界である霊界に関しても無知になりました。
先祖である彼らがこのようになったので、子孫であるすべての人類は、神様が私たちの真の父であられることが分からなくなりました。サタンの利己的な欲望を受け継ぎ、自己本位で堕落性による不義を犯しながら生きていくようになりました。本来、人類が一人の神様に侍る兄弟姉妹であることも知らず、葛藤と紛争に明け暮れ、罪を犯しています。互いに命を奪い合いながらも、それが自分自身を害することを知らずに不幸の中で生きているのです。
最初に、アダムの家庭を中心として、カインがアベルの命を奪った罪悪を受け継ぐようになった結果の世界なので、偽りの愛の子孫である人類の帰結は、家庭破綻と青少年の退廃、病魔エイズなどの不幸と罪悪と破滅です。
周囲を見回してください。心身の葛藤と価値観の混乱、犯罪と麻薬、人類の存亡がかかった家庭の危機、環境破壊、紛争と憎悪、テロと戦争、さらには人種と宗教と文明間の葛藤など、現在の危機はあまりにもひどいものです。日ごとにその程度が増し、危機が多元化、世界化しつつあります。これ以上、放置することはできません。時間がないのです。
誰がこの世代に責任をもつことができるのでしょうか。世界問題を根本的に解決する代案を提示する指導者はどこにいるのでしょうか。神様を見失うことによって、人間は真の愛も、平和も、幸福もみな失ってしまいました。人間は、神様を抜きに人間同士で、不幸から脱して平和を成し遂げようと、畏い歴史をかけて努力してきましたが、これは根本的な誤りでした。人間の力だけで危機を脱出することはできません。真の平和と幸福は、神様の真の愛、真の生命、真の血統に根源を置いています。
神様の創造のみ旨は絶対です。神様は、アダムとエバの堕落によって誤ったものを、再び原状に戻されます。したがって、神様の救援摂理は復帰摂理であり、その目的は堕落前の本然の世界の回復です。言い換えれば、神様の真の愛を探し立て、彼らに再び祝福結婚を受けさせて、本然の世界を探し立てることです。そのようになれば、その真の家庭を起点として、真の氏族、民族、国家、世界が形成されるのです。
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