日付:一九九〇年二月一日
場所:韓国、ソウル、オリンピック・フェンシング競技場
行事:真のお父様古稀慶祝記念式
尊敬する内外の貴賓の皆様。世界百三十数ヵ国の代表者、国内の各界指導者、そして紳士淑女の皆様。公私にわたり忙しい日程にもかかわらず、きょう私の七十歳の誕生日を祝うために、このような盛大な席を準備してくださったことを感謝しつつ、特に天意に動機を置いた私の生涯を祝賀する皆様のお心に感謝申し上げます。
神様を動機として生きてきた七十年の生涯先立って、多くの代表の方々が多くの賛辞で私の過去の業績を褒めたたえてくださいました。しかし、きょうのこの記念式が過去の功績だけを賛美する場であれば、大きな意義はないと思います。私の行跡が未来に、ある希望的な動機を付与するのか、人類の将来を明らかにすることにどんな意義があるのか、さらには宇宙を経綸される神様の摂理とどのような関連があるのかを中心として、祝賀の内容が決まらなければならないと思います。
天命に従って、前人未到の孤独な開拓の道を駆けてきた私の生涯が、多くの人々の無理解と反対の中で、外的に波瀾万丈だったことは周知の事実ですが、私の心の世界では、どのようにすれば神様が願われるとおりに生きることができるのか、どのようにすれば神様のみ旨を果たしてさしあげられるのかに焦点を合わせ、そのために一刻を争う緊張が連続していました。神様を除いては説明することができない私の生涯だったのです。
国家の運命はもちろん、さらには世界の運命と直結された私の行路において、神様と深い内情で通じながら過ごしてきた事情と神様と共に体感した最も深い場での悲しみも、最も大きな痛みも、最高の喜びも、鮮やかな記憶として回想され、特別な情感で神様に深く感謝申し上げつつ、この日のすべての栄光を、生きていらっしゃる私の父、神様に捧げようと思います。
これまで、私が世界的に築いた基盤に対して「驚異的な業績である」と語るのは率直な表現でしょう。しかし、私は外形的で可視的な基盤そのものよりも、その中のどれ一つも私自身を中心としていなかったという点と、現在よりは未来を、個人より全体を、小さなことよりはもっと大きな目的のために築いたものとして、天と地と歴史が公認する基盤であるという点に誇りをもちます。徹底して神様が動機となり、厳しい風霜と曲折の中でも神様が守ってくださったからこそ、成し遂げることができた基盤であるという点が貴いのです。
他のために投入してきた生涯私の過去七十年の星霜は、決してたやすい道ではありませんでした。世の中に友もなく、師もいない、本当に一人だけの孤独な道でした。私が数多くの逆境と生死の境をかき分けてきながらも、勇気を失わずにいられたのは、神様との深い心情的交流があったからでした。誰もその深い境地を知ることができないなかで、密かに助言を常に与えてくださった神様は、私の生きる動機そのものであり、生命力の源泉でした。
私は他人の言葉に耳を傾ける余裕がありませんでした。わき目も振ることができず、世論に気を遣うこともできず、日々神様の願いを思いつつ、細胞がしびれる一体感で、その方の創造理想を成し遂げてさしあげようと、その目的に向かって、一心不乱に駆けてきました。
満場の皆様。私にかけられた神様の願いとは何でしょうか。本来堕落がなければ、神様は無形の真の父母であり、人間は子女になっていたはずです。人間は、真の愛の縦的な父母である神様と真の愛の横的な父母であるアダムとエバから、真の愛と生命と血統を受け継いだ真の生命体として、愛の過程を通じて生命の種を子孫に連結するようになっていたはずです。
そして、堕落とは、人間始祖が神様の縦的な真の愛のもとで、横的に真の愛を完結することができず、天使長に侵犯され、偽りの横的な愛を生み出したことです。この堕落の結果として、神様は愛する子女を失ってしまったのであり、人間は心と体が矛盾し、葛藤する故障した命として生まれざるを得なくなったのであり、悪魔は偽りの横的な愛を条件に、個人から世界に至るまで人間を不当に管掌してきています。
神様は、このすべてのものを原状に復帰する救援摂理をしていらっしゃいます。それで、原理に従って悪魔を自然屈伏させながら、メシヤ、救世主である真の父母に人類を接ぎ木して復帰するのです。
本来神様は真の愛の完全投入で創造をされたように、再創造過程である復帰摂理でも、ために生きて完全投入してこられることを知ったので、私も天命に従って生涯を捧げてこの原則を実践してきました。神様のみ旨の前で、徹底的に他のために生きながら投入し、完全投入してみたところ、今日の基盤が成し遂げられました。
現代科学技術の発達は地球星に大きな変化をもたらし、今後さらに大きな変化を予告しており、これに対して人類は英知を集めて対処すべき緊迫した状況に置かれています。一言で言えば、現代文明は重大な危機を迎えるかどうかの分かれ道に置かれているのです。この問題に対して人類は、まず超国家と超人種、そして超宗派的に、すなわち汎世界的なアプローチで共同の努力をしなければなりません。公害問題、人口問題、自然保護問題など、直面している問題がすべて汎地球星の問題だからです。
その次に、現代社会の病弊、特に倫理、道徳と人間性の退廃の問題、人種戦争や宗教戦争の危険性などは、すべて人間の本質の中に内在した病弊なので、その主体である人間の意識革命、人間改造の次元からアプローチして解決しなければなりません。決して、体制や制度上の問題だけではないのです。
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