宗教は、人間を「改造」する道だと言うことができます。堕落がなければ、宗教は必要ありません。堕落によって心と体が闘っている人間を、永遠に闘わない平和な存在に、また神様の実体対象に改造しようとするのが宗教です。すなわち、神様に似た本然の人格に変えるのです。
私たちの心と体を見たとき、体は悪神サタンの基地になっており、良心は神様の基地になっています。一般的に、体が心を引っ張り回すのです。宗教は、心を引っ張り回す体を打って、弱めさせようとするものです。宗教の教えは、体が最も嫌うものを提示します。「断食しなさい。奉仕しなさい。犠牲になりなさい。祭物になりなさい」と言って、義のために苦行の道を歩み、生命を捧げることまで要求します。
聖書において、「自分の命を救おうとするものは、それを失い、それを失うものは、保つのである」(ルカ一七•三三)という逆説的な論理で教えていることも、肉身が要求するとおりに生きれば、死亡世界である地獄に行くのであり、肉身を抑えて良心の解放圏をもてば、永生の天国に行くということです。
心と体が統一されずに闘う人は、統一された神様の愛の理想世界に適応することができません。一般的に、宗教をもつことによって天国や極楽に行くといいます。しかし、天国は、神様の真の愛を中心として、心と体が一つになった子女が入っていくようになっています。
堕落した世界の愛は、主に自分自身を中心とした愛ですが、それは、心ではなく体に関係しています。堕落した体は悪魔の舞踏場になっています。本心は、神様に代わる主体、すなわちプラスの位置にいるのですが、体は、もう一つのプラスとなって本心を籠絡(ろうらく)しているのです。これを正さなければなりません。この目的のために神様がつくられた修理工場が宗教です。心と体が永遠に一つになった人、完全な人格に正す修理工場なのです。
ですから、宗教においては、休まずに祈祷し精誠を捧げることを教えています。悪魔は、体を横的な舞台として、二十四時間休まずに活動しています。神様は、縦的な基準に立っていらっしゃるので、縦的な心を通してのみ役事(働き)されます。心が、横的な体の強い作用に引っ張られていかないようにするためには、心自体が垂直の位置で精誠を捧げることによって、神様から三倍も四倍も力を受ける必要があります。このような精誠の生活を三年から五年行えば、心が体の環境的、習慣的影響力から自由になることができるのです。
宗教は復帰摂理のための機構尊敬する指導者、そして紳士淑女の皆様。宗教生活は、してもよく、しなくてもよいという選択の問題ではありません。堕落人間は、サタンを中心とした偽りの愛と偽りの父母の因縁から生まれてきたので、誰もが例外なく修理工場である宗教を経て、必ず真の父母様と出会い、真の愛と真の生命の関係を結ばなければなりません。
ここで、一つ重要な事実を知らなければなりません。修理工場に訪ねていくのは、そこに永遠にとどまろうということではなく、再生して出てくるためだという事実です。宗教生活は堕落人間の必須課程ではありますが、宗教生活自体が人生の根本的、総体的な目的ではないというのです。人生の究極的な目的は、宗教生活を正しく履修し、模範生として卒業して、創造本然の人間として生活することです。
堕落ゆえに生じた宗教ですが、その宗教の中に埋もれて生きることだけが人生のすべてでしょうか。堕落していなければ、本然の人間はどのように生きていたのでしょうか。本来人間は、神様の子女として、真の愛の理想のもとで真の家庭をつくり、一つの世界を形成して、自由、平和、統一、幸福の天国生活をするようになっています。
神様は、宗教を通じて修理され再生された子女に出会うために、人間を創造したのではありません。罪を悔い改めながら葛藤の中で苦悩している子女を見ることを願う父母がどこにいるでしょうか。まして、創造主であられ、全知全能であられる天のお父様が、御自身の子女を、苦痛の中で罪を犯して生きるようにさせることが本来のみ旨でしょうか。堕落世界は、神様が計画された本来のみ旨ではありません。人間始祖が神様に背くことよって、本然の構想が成し遂げられなくなったのです。絶対的な神様であられるので、そのみ旨も絶対的です。神様は、再びそのみ旨を成就されます。それで、神様の救援摂理は、復帰摂理であり再創造摂理です。
宗教は復婦摂理のための機構です。人間は、真の父母様と出会って宗教生活の過程を履修するだけではなく、神様の子女となって、生活の中で父子の関係をもって神様に侍って生きる生活信仰の世界に飛躍しなければなりません。長い歴史の中で、人間は誰もが宗教生活を卒業しなければならないという、この貴い真理を明らかにした人はいませんでした。早くから神様のみ旨を知った私は、教派や宗派を創設しませんでした。
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