尊敬する宗教議会の代表の皆様。私たちが今日の現実を直視するならば、私たちは信じてばかりいるときではなく、行動すべきときであることを直感するのです。私たちの社会に澎湃している深刻な問題点、価値体系の混乱、道徳的退廃、麻薬とテロ、戦争と大量虐殺、人種問題、人権と富の均等問題、無神論に立脚した共産主義の問題など、数多くの弊害は何を物語っているのでしょうか。神様を離れた人類が、無神論に立脚した物本主義、世俗的な人本主義、享楽主義などに便乗してたどり着いた、世紀末的な現象なのです。このすべては、この世代の精神的•霊的枯渇と信仰心の衰退に根本原因があるという結論とともに、宗教者たちをむち打っているのです。
今日の世界に誰が責任を負うことができますか。軍事力や政治力ですか。でなければ、財力や技術力ですか。決してそのような力ではありません。神様はこの時代の預言者であり祭司格である宗教指導者たちに、この問題を解決しなさいと勧告していらっしゃいます。
すべての宗教者たちは、この世代の霊的基盤の欠乏に対して責任を痛感し、深く痛悔しなければなりません。長い宗教の歴史の中で、宗教者たちは生きていらっしゃる神様を正しく証することに不足だったのであり、愛の実践をおろそかにすることで無神論が蔓延し、また共産主義が世界に澎湃していることを、痛切に自ら叱責する宗教者になるべきだと思うのです。
今日、神様は私たちを呼んでいらっしゃいます。すべての宗教者は、深い自己反省の内的基台の上で、力強く立ち上がり、あらゆる不正が乱舞する現実に挑戦し、神様のみ旨を地上に実現するめに、創意的な努力を果たさなければなりません。生きていらっしゃる神様が願われる人間との関係は、経典や礼拝儀式の中だけでの関係ではありません。信義を抱いて二十四時間の生活の中でこれを実践する、自覚された心の中に住まわれながら、人間と共に生活されることを願われます。
私は、世界と人類の未来に対する長年の省察と祈祷を通して、今の世界を覆っている神様の情熱的な願いと強い聖霊の役事を感じてきました。これは、世界が必ず新しくならなければならず、宗教指導者が世界的に団結するだけでなく、懺悔と真の奉献の姿勢を整える汎宗教的浄化運動、実践奉仕運動が起こらなければならないと教示しています。世界は変わらなければなりません。新しい宗教改革の炎が燃え上がり、至る所で生活信仰、実践信仰の価値を高く、高く、とどろかせなければなりません。そして、無神論者たちの前に生きていらっしゃる神様を証明する、生きた信仰の炎がなければなりません。真の平和世界は、宗教を通した精神革命、愛と慈悲による大きな和合によってのみ実現されるのです。
教団間の和合を通して平和世界実現を早めなければならない尊敬する代表の皆様。私たちは神様の崇高な召命の前で、反目と誤解の無知が氾濫する世俗の泥沼を抜け出し、相互尊重および親善で、世界の教団が大きな協同体制を構築しなければなりません。そうして、行動する宗教者の意志と実践を地球星の隅々に見せなければなりません。
宗教は単に未来を待望することで終わるのではありません。神様の最初の創造目的の地が地上なら、私たちが地上に実現すべきそのお方のみ旨を忘れてはいけないのです。天国や極楽が神様の理想的な居所ならば、そこに行くことだけが希望ではいけないのです。現実において理想の起源になる対象存在のために生き、愛し、与える実践と、その実績が必要条件になるのです。
宗教が現実的規範原理や所在を超越しているからといって、その現実的作用までも無視してはいけません。宗教は、現実問題自体に至大な関心をもって、神様のみ旨の適用可否を深く調べなければなりません。また、政治、経済、社会、教育など、各分野の現実問題を解決すべき人々の心の中に、神様を中心とした新しい変化を起こすことによって、彼らが新しい人となって問題を解くようにさせなければなりません。
生きた心霊をもった宗教者たちが、宗教の真理をもって現実社会に飛び込むことを、神様は求めていらっしゃいます。真理をもった人、神様と根本的な交流をもった人は、どこでも生命の役事を起こし、影響を与えるようになっています。真の宗教は世の中についていくのではなく、神様のみ旨に立脚して世の中を諭し、万人を先導しなければならないので、反対と迫害と騒乱が起こるようになっています。教団間の和合と大同団結、そして実践信仰の新しい運動は、孤独な開拓者的な道を行くかもしれませんが、これは歴史的•世界的次元で考える多くの清新な人々の、大々的な呼応を受けることになるでしょう。
私はこれまで、神様が願う摂理の方向に従って世界を改革し、地上に神様の理想を実現することに尽力してきました。また、統一教会を最も優先的に動員して、宗教間の和合を通した世界平和の目標のために投入してきました。
皆様が属する各教団も、積極的にこの道に協力して、共に行くことを私は心から願います。これは、私がこの分野の努力を中断するからでもなく、統一教会の援助を惜しんでいるからではありません。全宗教の伝統の霊的資源と創造力を動員して、神様が願われる方向に総結集することによって、平和世界の実現を早めようとしているからです。
神意の地上実現という「世界宗教議会」の成果皆様が御存じのように、この「世界宗教議会」は歴史的な企画であり成果です。世の中でも国連機構などをつくって和平を模索していますが、教団間に争いがあっていいでしょうか。私は長い間、既存の教団や指導者が出てきて、宗教議会を積極的に推進してくれることを待ち望みました。しかし、誰かが必ず果たすべきこのことを待ちきれずに、私が始めました。
この集い自体が意味のあることですが、今後、回を重ねれば重ねるほど驚くべき成果を上げるようになることを期待します。
第一段階は、世界の宗教の伝統が互いに尊重されながら、相互に交流する関係の中で和合し、集約されることによって、少なくとも宗教間の葛藤と戦争を防止することに寄与し、第二の段階は、宗教会議の共同決議を通した宗教者の実践生活と汎教団間の協力体制によって世界に奉仕し、人の心霊を啓発することが促進されることによって、万人を神中心の価値観で生きるようにし、第三の段階は、実質的な教団代表たちが参加する議会にまで発展しなければならないと思います。
そうして、宗教議会で神意に立脚した高次元の価値観と生活規範が確立され、これが全宗教者と団体、国家に波及するようにしなければなりません。このような個人、団体、国家であってこそ、神様のみ旨の地上実現のための基盤となり、単位になるのです。すべての代表の方々は、今回の会議の期間中、全体会議あるいは分科会議で発表や討議、各宗教芸術の発表、瞑想と祈祷などのプログラムを通して、今日の世界を指導し、宗教界を改革して明るい未来を創出する霊的基盤を造成し、互いに和合することに大きく寄与してくださることを願います。
私たちは、今から和合した力で「神意の地上実現」という世界史的宗教の使命を完遂するために、総進軍しなければなりません。最後に、この議会の準備委員会の代表の皆様の企画と準備のための労苦に感謝申し上げ、また実務要員たちの苦労をたたえます。神様の御加護と祝福が、この歴史的な大会と代表の皆様にあることを祈ります。
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