それでは、私がなぜ皆様を韓国にお招きして、勝共国民大会と共に、第一回「世界平和教授アカデミー」世界大会を開催したか、ということについて、若干の説明をいたします。
第一に、韓国は、昔から地政学的に大陸と海洋の橋頭堡である半島国家で、強大国の勢力拡大のための要衝となって、歴史的な犠牲を払ってきました。現代でも、東西両陣営の要衝であり、ソ連と北朝鮮の侵略の野望によって真っ先に試練を受ける立場に立っている国です。韓国は共産主義の犠牲となるか、自由世界の一員として生き残れるかの岐路に立つ、世界的な試験台の上に置かれている国です。私は、このような韓国の状況を神様の摂理的観点から、世界と歴史の縮小体として見ています。
ですから、すべての歴史的関係と世界的問題が直接•間接的にここに連結されており、したがってここでの問題解決は、すなわち全体解決であると考えます。今回このように世界の碩学たちが集まって発表する決議や宣布は、すなわち皆様の国と世界全体と関連するものなので、世界的な関心事となり、世界的に波及する影響力をもつようになります。
第二に、韓民族は、約五千年の悠久なる歴史をもった文化民族であり、早くから敬天思想を信奉し、豊かな精神的生活をしてきました。私たちの先祖は、仏教と儒教を受け入れ、その文化を燦然(さんぜん)と花咲かせ、長くはないキリスト教伝来の歴史にもかかわらず、今日名実共に世界を代表する篤実なキリスト教国家となりました。
それだけではなく、この様々な高等宗教は、民族の精神文化の中に溶け込み、調和して、善の影響を及ぼしており、現実においても、この地は諸宗教が共存している特異な様相を見せています。本来、敬天思想が強い韓民族の本性を考えれば、無神論の共産主義が韓半島に根を下ろすようにはなっていなかったと思います。神様が生きていらっしゃるならば、韓民族を立てて、共産世界を打破する模範を世界に見せることと私は確信しています。
第三に、韓民族はその気質が活動的であり、奇抜であり、義に酔い、積極的に行動します。韓民族が一般的に時代観と歴史の発展推移に鋭敏な反応を見せるのも、この気質のゆえです。韓民族が一旦「共産主義は悪い」ということが分かれば、直ちに実践し、行動に移すようになるので、実践的な勝共活動は世界を指導する標本運動となるでしょう。
第四に、韓国は東西文化の交流の接合点です。既に皆様も御存じのように、多くの碩学たちが西洋文明の未来を悲観的に予測しており、これに対する解決方案として、新しい宇宙的、精神的一大転機が到来することを待ち望んでいます。西欧社会が東洋に対して徐々に多大な関心をもつようになり、東洋精神や東洋宗教に心酔するのも、東西文化の調和統一が成就されることを予告しているものと言えるでしょう。
平和理想実現の障害要因である無神論共産主義東洋で生まれたレバレンド•ムーンが動機となり、中心となって、世界の碩学たちが人類平和と理想世界の創建のために、「世界平和教授アカデミー」を組織し、「科学の統一に関する国際会議」を開催し、学界に新しい転機をもたらすことは、過去の歴史になかったことであり、新しい文化が胎動する歴史的な壮挙だと言えるでしょう。
神様を父母とする「世界は一家庭、人類は一兄弟」という理想から見れば、東洋と西洋の最短距離の調和統一体は、宗教思想を中心としてのみ可能です。
「世界平和教授アカデミー」が本当に世界平和を目標とし、学問的な良心と知性を尽くしてこの目標を成就することを願うならば、私たちには再覚醒と再決意が必要だと思います。真の人類平和というものは、価値観の異なる人間相互間の平面的関係の改善だけでは得られるものではありません。神様を求心点とした絶対価値のもとにだけ真の平和世界を見いだすことができるのです。
この平和理想実現に対する根本的な障害要素は、無神論的共産主義です。私は、資本主義も神様が願われる主義ではないことをはっきりと教えています。しかし、共産主義は、神様の存在自体を否定しているので、「神主義」の前に一次的な障害となるのです。
私は、以前にシカゴで開催された「科学の統一に関する国際会義」の際、共産思想を学者たちが積極的に防がなければならないと既に宣布いたしました。ある人は、皆様に対する私の宣布と勧告があまりにも強い表現であると言うかもしれません。流れる時間の中で、きのうときょうが同じように繰り返されますが、歴史と摂理の中においては節があり、重要な転機があります。いつも繰り返されているような時間ではなく、決定的な意味をもって決断を下す時があるのです。今が正にその時です。私は人類の将来に対して深く感じることがあって、このように勧告をするのです。
急を要する明確な価値観による後進養成教育皆様が後援する韓国における今回の勝共国民大会は、皆様の祖国と自由世界の至る所で行われなければならない標本となる大会です。自由世界の指導者たちが共産主義に対して決断を下し得ず、優柔不断であるならば、世界制覇の野望をもつ共産主義の膨張運動は防ぐことができません。特に教授の皆様が、一時的な安逸や一身の無事を願うがゆえに、正しいものと間違ったものを区別して積極的に証し得ないとすれば、若者たちの将来を誰に期待すればよいのでしょうか。教授の皆様の断固たる決心と明確な価値観による後進養成教育こそが、この時代の要請であるばかりでなく、教える者の基本姿勢でもあります。この点で、宗教指導者と教授には共通点があると思います。というのも、私たちは、知識を伝達し、また研究結果を教育するだけではなく、人生について責任をもって教えなければならないからです。
きょう、この場にお集まりの七十二ヵ国の代表の皆様。世界平和のための「世界平和教授アカデミー」の歴史的目標を達成しようという確固たる決意と、また有神論に立脚した献身的な信念は、皆様の国のみならず、勝共の世界的な民間連合基盤を構築する決定的な契機になると私は確信する次第です。
皆様の国と皆様の御家庭に、神様の祝福が共にあることをお祈りしながら、私の話を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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