日付:一九九〇年四月九日
場所:ソ連、モスクワ、ソビン•センター
行事:第十一回「世界界言論人会議」
親愛なる議長団、尊敬する元国家元首、首相、貴賓、そして紳士淑女の皆様。歴史的な第十一回「世界言論人会議」を皆様と共に、ソ連の首都モスクワで開催することとなり、限りなく栄光に思います。今回の大会のテーマは「世界のコミュニケーションと協力の増進」であり、これについて討論できる場所として、正にここソ連が最も適していると思います。また、今回の大会の開催は、私にとってはこの上ない喜びであると言うことができます。なぜなら、世界平和を追求する素晴らしい二つの団体の会議、すなわち第三回「世界平和のための頂上会議」と第九回「中南米統合機構総会」が同時にここで開催されているからです。今回のモスクワの訪問は、私にとって個人的にも温かい情を感じることができる良い経験になっています。ソ連政府、特に「ノーボスチ通信社」の幹部の皆様がこの地で施してくださった手厚いおもてなしに対して感謝の言葉を伝えたいと思います。私と妻、そして子女たちは、皆様の御親切に深い感銘を受けています。今、ここにいらっしゃる元国家元首および首相、各国貴賓の方々もみな、私と同様、主催国であるソ連に対して深い感謝の意を表すると思います。
最近私は、ソ連の言論人たちから、社会、経済、政治的発展の前提条件として「霊的ルネサンス」の重要性に対する見解を問われたことがあります。この機会を借りて、そのことについていくつかお話をしようと思います。「霊的ルネサンス」はとても重要だと思います。そして、このためには、人間に関する、より深い理解が必要です。
ですから、いくつかの哲学的な主題と宗教的な主題を考察してみる必要があります。これは、コミュニケーションや言論とは直接的な関連がないかもしれませんが、このことに対する理解は、世界の真の平和のために必要だと思います。その上、これは私が生涯をかけて探究し、発見し、教えてきた真理の本質でもあります。
宇宙を観察してみれば、すべての存在は、陽性と陰性の二性性相の相対的関係を結ぶことによって存在していることが分かります。これは、鉱物という次元から出発してすべての場合に当てはまります。分子は、陽イオンと陰イオンの結合を通じて形成されます。植物の場合、生存と繁殖は、雄と雌を代表する雄しベと雌しベの結合を通じてなされます。動物の場合、このような二性性相がよりはっきりとします。魚類、鳥類、哺乳類など、すべての動物は雄と雌によって存在します。最後に、神様の最高の創造物である私たち人間も、男性と女性に区分されています。最初の男性アダムと最初の女性エバは人類の始祖です。このような二性性相の存在目的とは何でしょうか。神様は、なぜこのように創造されたのでしょうか。創造主は、万物を陽性と陰性に区分して創造し、それらが互いに愛を与え合うことを通して結合するようにされたのです。愛の行為を通じて、すべての種はその数を増やし、系譜をつないでいくのです。
人間の欲望は、終わりもなく限りもありません。それでは、このような人間の限りない欲望の真の目標とは何でしょうか。女性の場合、それは男性です。そして、男性の場合、それは女性です。男性と女性は、お互いを通じてのみ真の愛を発見することができるのです。人生や宇宙、そして神様に対する歴史上の様々な見解は、解決することのできない問題ばかりを提示しました。これらの問題に対する解答は、真の男性と真の女性が真の愛の中で神様と一つになって絶対的な存在を創造するときに発見することができます。これが絶対価値の根源です。男性は女性のために存在します。女性は男性のために存在します。各々は、互いの愛の対象にならなければなりません。
神様は絶対的な愛の存在です。神様は愛の対象である人間を創造され、御自身の愛をその上に注ぐことができることを願われました。そのようにされることによって、神様は、自然に男性と女性から返ってくるその愛を受けることを期待されたのです。このような方法によって、神様は無限の喜びを感じたでしょう。アダムとエバは、まず自分たち同士が愛の中で一つになってこそ、神様の愛の完全な対象となることができたのです。したがって、アダムとエバが一組の成熟した人間となって神様に似るようになり、神様の愛を受け、また愛を神様にお返しするためには、成長と成熟の期間を必要としたのです。真の愛の模範は、仕えられることではなく他に仕えることです。神様は、最初に御自身の愛の対象を創造されるとき、御自身のすべてのエネルギー、すなわち御自身のすべてを一〇〇パーセント投入されました。このようにして神様は、真の愛の模範をつくられたのです。言い換えれば、神様は、御自身を完全に消耗し尽くす真の愛の伝統を立てられたというのです。そして、真の愛は宇宙の中心になったのです。人間を創造されるとき、神様は御自身を完全に投入し尽くしました。神様は、御自身を全く空にされたのです。大気中に低気圧の部分が生じると高気圧の部分は自動的に低気圧の方に引っ張られていくようになります。同様に誰かが他に絶対的に侍るようになるときには、常にその人を満たしてあげるためにエネルギーが結集するようになります。したがって、御自身の完全な愛の対象を創造するために神様が下さったすべての愛を、男性と女性は究極的に神様にお返ししてさしあげなければなりません。
ただ愛のみがすべての障壁を超越します。私たちが真の愛の中で神様と一つになるとき、肉的、霊的被造物に対する私たちの主管が可能になります。徹底して他のために生きるとき、私たちは初めて神様の本質に到達することができます。そうすれば、神様の思いが人間の思いとなり、神様が感じられることが自然に人間に伝達されるのです。このように生きていくとき、人間は神様の心情と愛に共鳴する器となり、二つの音叉が共鳴するように、人間と神様も常に共鳴するようになるのです。それが正に究極的な人間の原状なのです。この原状に到達するとき、神様の愛は私たちの愛となり、神様の生命が私たちの生命となり、神様の血統が正しく私たちの血統となるのです。神様の創造された世界が私たちの世界となるのです。私たちは地上と天上のすべての存在と共に神様の愛を分かち合うようになります。私たちは父母の心情で天国の民となるのです。
因果法則は歴史を通じて明白に現れます。蒔いたとおりに刈り取られるようになっています。人間始祖であるアダムとエバは、成長する過程において性的に愛を乱用しました。それにより、人間は楽園から追放されるようになったのです。神様は、アダムとエバが神様の祝福を受けて結婚するときまで、自分たちの純潔をしっかり守り、神様の真の愛、真の生命、真の血統の土台となってくれることを願われました。このようにして、アダムとエバが完成して祝福を受けていたならば、その子孫は、自然に神様の息子、娘となり、創造主の愛を享有し、地上天国と天上天国で暮らすことができていたはずです。
しかし、アダムとエバが完成期に至って神様から祝福を受ける以前、すなわち彼らがまだ十代の青少年のとき、天使長がエバをそそのかして姦淫したのです。それにより、天使長はサタンとなりました。そして、アダムもまた、堕落したエバと関係を結ぶことによって堕落しました。人間の歴史は、このように不倫の種を蒔くことによって始まったのです。その結果、今日不倫の関係が蔓延しています。特に、十代の青少年たちは、性的堕落の犠牲者となっています。先進国の社会は、聖書の中のソドムとゴモラとほとんど変わりません。神様は、このような不倫の愛を嫌われます。私たちは、神様の怒りを恐れなければなりません。
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