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ところが、そのアメリカは、一九四五年の第二次世界大戦の勝利から今日に至るまで、神様の本然のみ旨を離脱していく不吉な徴候が見えており、これは甚だ恐ろしいことであると言わざるを得ません。私はアメリカを愛するがゆえに、このことを語るのです。次の話は、アメリカの国会議員たちが集まった講演会において語ったことです。誰かがアメリカを悟らせなければならないので、この話をしました。
第一に、二度の世界大戦を勝利に導いたのは神様であり、またアメリカをして世界国家型である国連を編成させたのも、神様のみ旨でした。神様のみ旨から見れば、本来、国連はキリスト教精神を中心とした世界の国々が結束する本営にならなければなりませんでした。共産主義国家を含む国連は、絶対に神様のみ旨ではありませんでした。
またアメリカは、戦勝後、戦後処理を誤りました。第二次世界大戦に勝利した連合国と敗戦した同盟国家が統治した国々まで正しく保護し、天のものとして管理する責任がアメリカにありました。万一、アメリカが神様のみ旨をはっきりと知っていたら、サタン側国家であるソ連を堂々と制圧して、世界万邦の自由国家を集めて民主世界に結束させ、神様のみ旨の中で全世界を復帰できる良い機会だったのです。しかし、アメリカは、アジア諸国と東欧衛星国家を共産側に渡してしまい、韓国とドイツを両断させる悲劇を招いてしまったのです。
第二次世界大戦の勝利は、神様が、自由世界の版図を広げて共産主義を制圧できるよう祝福されたものだったのですが、結果的にアメリカは、若者たちの血の犠牲を無駄にして、神様を否定する不俱戴天の怨讐である共産主義世界を有利にしただけでした。若者たちの怨恨と血の訴えが、今もやんでいません。のみならずアメリカは、自由陣営を守護しなければならない聖職から後退することによって、ベトナムのようにアメリカの保護下にあった国々を、一朝にして共産圏に供え物として渡してしまったのです。これによってアメリカの国際的威信は地に落ち、恨みの声は日に日に高まっていきます。
今日国連は、その本然の機能を喪失したまま、共産主義国家の宣伝の舞台となっています。アメリカでは、様々な尋常でないことが日ごとに増えています。白人と黒人の人種問題が正にそれであり、若者たちを腐敗させる麻薬問題がそれです。青少年の淪落と家庭の破錠、そして日ごとに激増する暴力犯罪など、それらのどれ一つをとってみても、深刻でないものはありません。その中で浸透してくる共産主義の問題は、最も致命的な打撃です。極度の個人的な人生観と価値観によって肉的享楽に飛び込んでいくアメリカの現社会において、このままでは神様は間違いなく離れ、アメリカが神様の願いと希望と計画を失敗に導くことは、火を見るより明らかです。
この時点で、神様はどうされるでしょうか。神様は、このアメリカの現実を如実に見ておられます。ですから、神様はアメリカがこのようになることを予想されていた、と言っても過言ではありません。物質文明を中心とする西欧文明が、今日のアメリカのような事態を引き起こすことは、必然的な結果であると言えます。物質文明は、どこまでも体であって、心ではありません。今日のアメリカが神様の造られた体とすれば、この体に注入する心は、本来、東洋から起こすことを計画された神様です。そして、東洋の心と西洋の体が合わさって一つになるとき、初めて世界は欠点のない人の役目を果たせるように設計されました。今、西欧文明は一大心情革命、あるいは精神革命を待っています。しかし、この精神的革命は、西欧社会では期待できない立場です。これは必ず、東洋から起こらなければなりません。
ここでしばらく、イギリスの碩学アーノルド•トインビー博士の予言について触れてみることにします。彼は有名な歴史家であると同時に哲学者です。彼の透徹した歴史観はあまりに鋭く未来を見通すため、彼は歴史家の領域を脱し、一人の預言者とまでみなされ、尊敬を受けた人です。トインビー博士は、驚くべき予言をしました。「キリスト教を中心とする西欧文明は、今、その滅亡の直前にさしかかった」と、西欧文明の没落を予言したのです。そして彼はまた、次のように言いました。「歴史の目的は文明の発達にあるのではなく、文明の興亡は、実は高等宗教の出現のための手段である」と。言い換えれば、トインビー博士は、「歴史の流れにおいて、歴史の目的は文明を発展させることにあるのではなく、文明はあくまでも手段であり、むしろ宗教の進歩発展こそが歴史の真の目的である」と言ったのです。そして彼は、「没落する西欧文明を救い出す新しい高等宗教は、東洋から湧きいずる」と言いました。「光は東方より!」この言葉は、トインビー博士の有名な予言です。
韓国から上がる新しい宗教理念の烽火きょうの朝、革命的な発言になるかもしれませんが、私は、トィンビー博士が言われるその「光」、すなわち世界を生かすことのできる新しい宗教理念は、韓国から出現すると躊躇なく宣言する次第です。その精神革命の烽火は既に韓国から上がり、世界に向かって赤々と燃えています。既に西欧文明の中に飛び火して、超国家、超民族的次元で、数十万の若者たちの胸に火がともりました。彼らには、新しい価値観と新しい人生観が打ち込まれました。徹底した道徳革命が起こっています。世界人類救援のための犠牲的な奉仕が実践されています。その精神革命の烽火が、すなわち統一教会運動なのです。
この精神革命がしっかりとアメリカの物質文明と接ぎ木されれば、心と体が出会うことになります。その瞬間から、アメリカは心と出会うので望みがあり、韓国は体と出会うので望みがあります。さらに韓国とアメリカが一体となって世界救援運動に携わるとき、世界には望みがあるのです。この精神革命の力は、共産主羲に打ち勝つことのできる力です。この精神革命の衝撃がいかに大きいか、次のような実例を挙げて申し上げましょう。
アメリカで多くの物議を醸した私に対する非難の焦点は、アメリカの若者たちを洗脳するということでした。私たちの精神運動の衝撃があまりにも大きいので、賢いアメリカ人たちは私に、「自分たちを洗脳している」と言うのではないでしょうか。私は一九七五年十二月十八日、アメリカの下院議員たちの前で講演したとき、このように言いました。「賢明な議員の皆様に一言質問いたします。アメリカ人たちは韓国から来たこの人、いつも通訳をおいて説教するこのレバレンド•ムーンに洗脳されるほど、愚かな人たちですか」。私のこの言葉に、議員たちは名答を得たということでした。
アメリカの統一教会内に密かに侵入した一人の新聞記者は、統一教会の棚の隅々をくまなく探し、レバレンド•ムーンが洗脳工作に使う薬の瓶を探すのに血眼になったそうです。何か薬を飲ませて洗脳しているものと思ったようです。そのうち、彼は一和の高麗人蔘茶の瓶を見つけたのです。「ああ、これだ!」と言って持っていったのですが、いくら飲んでみても、何の精神的な変化も起こらず、気分だけが良かったそうです。
アメリカの青年たちは、私が持っていった何かの薬を飲んで洗脳されたわけではなく、神様が私に下さったみ言を聞いて、人格革命が起こるのです。韓国の地を通して神様が下さった新しいみ言は、一度聞けば人格革命が起こります。極めて利己主義的なアメリカ人たちが、世界のために犠牲になろうと立ち上がります。麻薬の奴隷から解放されます。淫乱の過去から解放されます。父母には孝行、国には忠誠、神様には生命を捧げて奉仕しようとする、高潔な人格者となっていくのです。のみならず、彼らは、共産主義を神様の怨讐として認め、共産主義と闘おうという信念が、この世のどの信念よりも強く燃えるようになります。
なぜ神様は、この世を救援しようとする最終理念を、私たちの祖国大韓民国を通して現すのでしょうか。「終わりの日」にこのような選ばれた国になったのは、韓国にいかなる資格があるからなのでしょうか。一言で言えば、韓民族は神様の事情を知り得る民族だからです。歴史上において、神様が喜びの方ではなく、悲しみの帝王であられることを、知る人がいませんでした。神様は、創世の時から子女を失った父母でした。いかに帝王であろうとも、子女を失った父母は悲惨でかわいそうです。歴史の中におられる神様は、かわいそうな父でした。そのかわいそうな父にとって、最大の孝行息子は、その父の痛みと悲しみを身代わりする息子です。韓民族は正にそのような立場で選ばれたのです。
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