日付:一九九二年七月七日
場所:韓国、釜山、社環体育館
行事:「世界平和女性連合」指導者大会
韓鶴子総裁、御来賓、そして満場の女性指導者の皆様。きょう私は、韓総裁の話を通じて大いに慰労を受けました。天命に従い一筋の道を走ってきた私の生涯は、波瀾万丈の苦難の道でした。
人類の根本問題に対する解答天道を立てる道は、妥協のないまっすぐな道です。人間的な面目や人間的な威信を主張できない道であり、ひたすら神様のみ旨だけのために歩む孤独な道でした。個人に運というものがあるように、家庭や国家にも家運と国運があり、さらには世界の運があります。そして天地全体には天運というものがあります。しかし、どんなに良い運勢をもって生まれた人であっても、気運が傾く時は苦難を受けるのです。良い個人運や家庭運に生まれついた人であっても、より大きな国運が傾く時は、共に没落せざるを得ません。
さらには、国家や世界の方向も、すべてを包括し、あらゆるものの上にある天運の方向と進行によって決まるのです。ですから、この世で天道を立てるということは、すなわち個人や国家の行く道を天運に合わせるようにすることなのです。
今日、韓国の国家的病弊や世界の問題を考えてみてください。経済不況、環境汚染、政治的な不条理、人種と宗教の紛争、倫理と道徳の退廃、価値観の崩壊など、様々な病弊や問題に対して、いったい誰が根本的に解決できるのでしょうか。人間の知恵や努力だけではできません。お金の力や権力を総動員しても解決できません。むしろ、人類の病弊はますます深まる一方なのです。
今や人間は、謙虚に天の声に耳を傾け、神様が提示される解決の道を探さなければなりません。この国と人類は、私の教えを受け入れなければなりません。これは自分自らを誇ろうとしているのではなく、神様のみ旨がそのようになっているからです。神様は私を通して天道を明かしてこられ、また人類の根本問題に対する解答を与えてくださいました。
苦難と逆境の中で築き上げた驚くべき基盤これまで、私に対する歴代政権による無理解と迫害は、私に無念の牢獄生活を強いてきました。また一部のキリスト教徒たちの偏見と悪意に満ちた反対は、様々なうわさをつくりあげ、私の行く道を実に困難なものにしました。しかし、神様の守りがあり、私は世界的に奇跡的な勝利の基盤を築き上げてきました。これは、歴史始まって以来、前例のない驚くべき基盤なのです。特に、全世界のキリスト教を代表した国として準備されたアメリカでは、かつて有色人種の誰もがもち得なかった記録的な基盤を私はもっています。もちろん私はアメリカにおいて、人種差別や宗教的な偏見によって多くの苦難を受け、無念の監獄生活までも耐え抜かなければなりませんでした。
しかし、私は、根底から揺れるキリスト教の基盤を再建し、麻薬や不倫で重病を患っている青少年たちを「アメリカの希望」になるよ宗教育し、訓練しました。アメリカにおいて、私の基盤は誰も無視できなくなりました。日本やヨーロッパにおいても同様です。既に、世界百六十ヵ国の宣教部は、それぞれの国において、信仰運動とともに、倫理と道徳の再建運動の表象となって発展しています。
私は一九八〇年代の初めから、「ソ連帝国の滅亡」をテーマとして、世界的な学術会議を開くように提案してきました。一九八五年に発行された学術研究誌は、ソ連共産帝国の滅亡を最初に予言した世界的な資料となりました。そのような基盤の上で、ソ連を訪問してゴルバチョフ大統領と会いましたが、今はソ連の十五共和国のうち三共和国が統一教会を国教にしようという動きを見せています。既に数万人の大学生たちが私の思想を学び、七百以上の大学で原理研究会という統一教会の大学生の集まりが組織されました。また、高校の教師と生徒の数万人が、今年に入って修練を受けています。
このようなことは、人間の力だけでできた結果でしょうか。これこそが、生きて働かれる神様のみ業が共にあった生きた証なのです。徹底した無神論者たちが、四泊五日の修練教育を通して、神様を中心とした人生観と宇宙観をもつ人格者へと変わっていく奇跡が起こっているのです。
中国においても大きな基盤を築きました。パンダ工業都市の建設など、重要な事業が数十年前から準備されてきており、私たちのたくさんの地下宣教師たちが苦労してきました。また、昨年(一九九一年)十一月三十日、平壌を訪問し、金日成主席と会ったのも、すべて天命によるものなのです。
今まで南北統一のために尽くした私の精誠は、神様のみが御存じであられます。南北統一は、可視的な韓国と北朝鮮の統一だけではなく、神様が中心となられた摂理的な統一です。南北統一は私の基盤を通さずしては成就されません。摂理が要求する統一は、統一自体が目的ではなく、その統一の基盤の上に永遠の自由と平和と幸福と理想を花咲かせるためなのです。
ですから、力による統一や相手を不幸にする統一であってはいけません。相手のために与えては、また与える真の愛による統一でなければなりません。祖国統一は、一個人や一政党、あるいは政権の利益のために利用されてはなりません。私たちすべての愛の心と実践が、北の地の同胞たちの心に届く時に、真の統一が訪れるでしょう。
世界平和を実現するために創設された「世界平和宗教連合」女性指導者の皆様。私はために生きる神様の真の愛を中心として、今日まで超教派、超宗派の和合運動を世界的に展開してきました。宗教団体間の和解や交流なくして、どうして世界平和が訪れるというのでしょうか。今も中東、アイルランド、インドなどの地では、凄惨極まりない宗教紛争が繰り広げられているではありませんか。
私は昨年八月二十七日、世界のあらゆる宗教の最高指導者たちを集めて「世界平和宗教連合」を創設し、宗教者たちが和合と協力によって世界平和を実現することに合意しました。実に貴い組織です。宗教は、それぞれの個別性も重要ですが、それに劣らず、互いに共通点も多く、絶対者を追求する同じ目的をもっています。すべての宗教は、神様がその全体摂理の目的のもとにお立てになったということが重要なのです。ですから、お互いに和合しなければなりません。
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