皆様は、自分の子女が死んでいくというそのような深刻な心情で、世界の人類のために祈ってみたことがありますか。皆様は個人を犠牲にして家庭を救い、氏族、民族、国家、世界を救うために、どれほど精誠を尽くしましたか。そのような点では、誰も自信をもって答えることができないでしょう。そのような絶対的な基準の代表者として来られた方が再臨主なのです。
人間始祖が堕落して以来、救いの摂理を展開してこられた神様は、アダムの時から二千年後にアブラハムを立てられ、その子孫の中から選民を立て、新しい家庭、氏族、民族を編成したのですが、それが正にイスラエル民族です。メシヤを迎えるための勝利的な基台の上に召命された選民がユダヤ民族だったので、将来メシヤを実体で迎えるための主流民族となったのです。主流民族にならなければなりませんでした。
その主流の真髄を調べてみると、本来、人間始祖アダムとエバが果たせなかった使命を再現するための基準と理念が必要だったのですが、それが正にメシヤ思想であり、キリスト教徒たちの立場からして見れば、新婦思想なのです。主を新郎として迎えるために、新婦としての資格を準備することが、キリスト教の最も重要な使命なのです。
そのような重大な使命があったにもかかわらず、ユダヤ民族はイエス様を十字架で処刑することによって、第一イスラエルとして召命を受けたユダヤ民族は流れてしまい、第二イスラエルであるキリスト教が、その使命を継承してきたのです。神様は、その一つの目的を中心として六千年間摂理してこられましたが、その摂理の終末が今のこの時代なのです。
それでは、メシヤ思想の核心とは何でしょうか。それは世界を救い、統一する思想であり、本然の理想家庭を築くことのできる教えであり、人間始祖が堕落によって失ってしまった真の父母の位置を取り戻すということです。
聖書の教えを見ても、メシヤは、父の権勢をもって来られ、聖霊の実体の立場である新婦に出会い、真の父母の位置を回復される存在です。ヨハネの黙示録に預言されている「小羊の婚宴」の後に、新郎と新婦は真の夫婦の段階を経て、真の父母となるのです。
そのような使命のために来られた方がイエス様でした。イエス様は、イスラエルの不信によって民族と国を失ってしまいましたが、神様の希望だった世界と天国のために命を捧げました。十字架にかけられたイエス様の苦難の路程は、神様と共に歩まれた苦難の道でした。
イエス様は茨の道にあっても、「彼らの罪をお赦しください!」と切に求めました。死んでいく場でも、未来の勝利を期して、ローマと、反対する群れを祝福したのです。
ですから、イエス様の生涯は三十三年で終わったわけではなく、神様の援助の中で、歴史とともに続いてきたのであり、彼の精神を継承したキリスト教は、世界的な宗教にならざるを得なかったのです。
文明の循環と温帯文明圏の出発地内外の貴賓の皆様。アメリカは今、世界で最高の強大国と言われていますが、神様の摂理の線上に正しく立たなければ、いつまでも強大国であり続けることはできないでしょう。人類史を文明論から見ると、古代文明の発祥は主に熱帯圏で始まりました。マヤ文明、インカ文明、エジプト文明、インド文明と中国の黄河文明など、古代文明の発祥地は、亜熱帯圏や熱帯圏でした。
人間が堕落しなかったならば、春の季節に当たる温帯文明から文明が始まるべきでしたが、熱帯文明から始まり、秋の季節に当たる冷帯文明圏に属するようになりました。それは自由世界を中心とした温帯文明圏であり、西洋文明がその中心です。赤道を中心として見ると、その文明圏は大体北緯二十三度圏に連結しており、アメリカ、イギリス、ドイツなど西方の先進諸国がこれに該当します。
秋の季節に当たる涼帯文明圏が終わり、冬の季節に当たる寒帯文明がしばらく押し寄せてくるようになります。それが共産主義の出現でした。知識人たちの多くは、ソ連の解体後に、戦後の冷戦体制は終わったと考えていますが、いまだに唯物論と無神論は、無力化した民主と共産の二大思想の代替理念として世界の随所に蔓延しています。
本来、神様の創造理想は、春の季節の温帯文明から始まるべきだったのですが、人間の堕落によって熱帯文明の原始的な状態から出発したのです。これからは、涼帯文明の危機と寒帯文明の脅威を越えて、古代から人類が追求してきた真の春の文明である温帯文明が現れるでしょう。
誰が寒帯文明の冬の季節を溶かすことができるのでしょうか。権力や経済、科学や知識では不可能です。河川と海岸を中心とした文明の循環を調べてみても、文明は循環しています。ナイル川、チグリス川、ユーフラテス川を中心に発達した文明は、ギリシャ、ローマ、スペイン、ポルトガルを中心とした地中海文明に移り、その地中海文明は、イギリスとアメリカを中心とする大西洋文明を経て、最後にはアメリカ、日本、韓国をつなぐ太平洋文明圏で結実するようになるのです。
そのような文明史的な観点から見ると、韓半島の位置は極めて重要です。韓国は、北方にロシアと中国をつなぐ寒帯文明圏の極地点があり、南方にはアメリカと日本をつなぐ涼帯文明圏の極地点があります。したがって、ここに二大文明を消化できる世界史的な春の季節の温帯文明圏が誕生するというのが摂理観です。
そのような側面から、その二大文明の結実地である韓国から、人類的課題として残されている世界の南北問題と東西問題を解決するために生涯を捧げてきたレバレンド•ムーンが現れたというのは、神様の摂理的な帰結と言わざるを得ないのです。
実際に、私が生涯を通して人種と理念と国家を越えて、「神様のもとの一つの世界」運動を展開してきたのは、そのような神様の摂理に沿った道だったというのです。これは摂理史的な原則であって、私がつくりあげた特別な理論ではありません。
真の父母として展開してきた「神様のもとの一つの世界」運動天のみ旨を悟った私の活動は、理論だけではなく、以上のような神様の構想を実現するため、外的に五大洋六大州で私の手が及んでいない所がありません。アラスカ、南極、南米の三十三ヵ国、旧ソ連邦の各国とアジア、アフリカ大陸の国々など、全方位的な宣教と事業基盤を通して、到来した新千年紀の時代に、人類が直面する公害や食糧問題などを解決できるように準備をしてきたのです。近年にはブラジルのパンタナールとアマゾンを中心として、地球環境保全に対する実質的な基盤を整えてきました。
一方、内的には、これまで「国際合同結婚式」と「真の家庭の価値誓約運動」を通して、これまで四億組を目指して式典を挙行し、神様が長い間、待ち望んでこられた理想家庭を土台とした地上天国の建設に拍車を掛けてきたのです。
内外の貴賓の皆様。これまで世界は、政治、軍事、経済面において優越した力をもった国々が支配してきました。しかし、神様の摂理と一直線上に立たないとき、永遠の国はありません。輝かしいギリシャ•ローマ文明の滅亡が、そのよい例です。今日、超強大国にそびえ立ったアメリカは、過去のロ—マと同じ立場です。ローマの滅亡は、外からの侵犯というよりは、道徳的な堕落という内的な原因によって天の運勢が離れたからでした。
一時期は労働者と農民を主体とみなす唯物論と唯物史観に立脚した政治勢力が、旧ソ連と中国を中心として世界の人口の三分の一、地球面積の三分の二を占有したこともありました。しかし、それも永遠には続きませんでした。今後は、神様のみ旨を代弁する宗教人たちが勢力を得る時が来るでしょう。
宗教指導者は、神様のみ旨を地上に宣布し、人類に進むべき方向を提示してあげる預言者です。しかし、今のように四分五裂となって継続されてきた教派間の葛藤と宗派間の争いは、神様の摂理に対して障害となるばかりです。
ですから、私はかなり前から教会の全体予算の半分以上を超教派、超宗派運動に投入し、宗教間の葛藤を解決するために努力してきたのであり、さらに「世界平和宗教連合」を創設し、宗教団体間の和解と一致によって、人類平和を増進する運動の先頭に立ってきました。全人類は、人種と宗派を超越して、創造理想世界の実現に向けた神様の摂理を理解し、究極的には神様の心情と一致点をもたなければなりません。
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