真のお父様は、一九六五年一月二十八日に韓国を発ち、歴史的な第一次世界巡回路程に出発された。そして、日本、アメリカ、カナダ、中南米五ヵ国、ヨーロッパ十七ヵ国、中東六ヵ国、アジア八ヵ国の順に訪問され、日本を経由して、十月十日に帰国された。第一次世界巡回は、モーセの時、カナン復帰のために四十日間、エリコ城を偵察したように、世界的カナン復帰のために四十ヵ国を連結しなければならない摂理的意義をもって、行われたのである。
1 「世界基督教統一神霊協会」を創立し、政府に登録するとともに、民族的基盤を立てました。今後は、世界的な祭物の立場を立てなければなりません。神様がアダムに「万物を主管しなさい」と語られたみ言を、お父様を中心に韓国で実現し、それを世界に連結させていかなければなりません。
お父様は、堕落以前の基準で祝福の条件を立てました。ですから、霊界は堕落する前の天使長の立場を探して立て、地上は堕落する前のアダムの立場を探して立てたのです。この基準を立てることにより、霊界は地上を協助することができます。堕落していないアダムに、天使が協助したという条件を立てるためです。
それで、世界四十ヵ国を巡回し、二百五十六日目に帰ってきました。四十掛ける六の二百四十に、四掛ける四の十六を加えれば二百五十六です。四数と六数を復帰しなければならないからです。ですから、世界巡回を終えて帰ってきた日の十月十日は、意味があるのです。
2 一九六五年の内に、十二ヵ国に宣教に行かなければなりません。それに無理があることは分かっています。しかし、復帰の時期はいつでもあるのではありません。それは、海の真ん中の一点の水しぶきのようなものです。粟一粒のような基準が海全体の価値に相当するような時が、復帰の時期です。その時期は一度しかありません。
人とお金はいくらでもあり、また、あすでも千年後でも、いつでもあります。しかし時はいつもあるのではありません。この時期に宣教に出ていくことには無理があるというのはもっともです。無理をしないで復帰することはできません。犠牲は当然のことなのです。復帰は、使って余ったものでするのではありません。血を天の側に捧げなければなりません。自らの血と力の原動力、これをもって復帰するのです。
3 カインとアベルが立てなければならない天的な位置と中心を、韓国で蕩減して立てなければなりません。このような分野に向かって総進軍しなければならないということが、七年路程での使命です。今や氏族基準と民族基準を立て、国家基準を立てて、世界的な時代に越えていくべき時が来ました。今は、一つの国家の思想がその国に局限される時代ではなく、世界的な問題になる時代です。ですから、統一教会に対する天的な意義がどれほど大きいかをよく知らなければなりません。
私たちは今まで、堕落した世の中に橋を架け、摂理的な基盤を築いて上がってきました。一九六〇年から一九六七年までの七年路程が終わると同時に、統一教会は世界的なカナン、すなわち世界的なイスラエルに向かって進軍しなければなりません。ですから、これに対する準備のために、お父様は四十ヵ国を歴訪する際、十四ヵ国に統一教会の宣教部を設置したのです。
4 一九六五年から、ドイツの統一食口たちがその近隣の国々に配置され、開拓伝道に出るようになりました。宣教国が十四ヵ国を超えなければなりません。一九六七年には四十ヵ国以上の基盤をつくり、世界的な作戦を立てようとすれば、そのような材料と計画が必要なので、その国々を訪問したのです。
私たちの本郷、私たちの祖国、私たちの世界を成し遂げるために、これは私たちが求めていくべき最後の目的地です。私たちが行くこの道は、間違いなく神様のみ旨に役立つ道であり、伝統を残すことができる歴史的な基盤を築く道になることを知って、ためらうことなくこの道を行かなければなりません。世界的な舞台で血と汗を流すことを本望と思って行かなければなりません。
5 お父様は、第一次世界巡回の期間に、歴史上、最も多くの波瀾、曲折があることを予想しました。そうでなければ、お父様が行くべきみ旨の道とは違います。押し寄せてくる台風の中で道を築き、安息をもたらすことができなければならないからです。静かな所で道を築けば、その人は台風を知らない人になります。一気に押し寄せてくる台風と怒濤の中を、かき分けていくことができなければなりません。
六千年間、その波がうねり、人類を襲って死亡の世界に追いやる苦役があったので、その波を静めて、遮ることができなければなりません。ですから、きょうも骨身にしみる心情で、心の真ん中に強い衝撃を受けながらも歩んでいるのです。
6 第一次世界巡回路程で、私が世界を見て回って帰ってくる時、心で深く感じたことがあります。今日、世界について「ああだこうだ」と言う人は多くいます。しかし、そのようなことは問題になりません。天が志す目標が重要です。ですから、私たちは、天が願われる立場に立ち、アベル的な基準でカインに代わって祭物になり、民族的な責任と世界的な責任を果たす世界的な祭物にならなければなりません。国のためにカインを屈服させ、世界のために祭物になろうという立場に立たなければなりません。そのようにしてこそ、天国がつくられるのです。
7 お父様は、世界を巡回するとき、多くの十字架を目にしながら、私の使命はあのすべての十字架をなくすことであると再確認しました。子女たちを通してでも、なくしてしまうでしょう。キリスト教は、十字架の道理ではなく、復活の道理です。そのような意味で、イエス様は祭物を捧げず、未来の希望の条件として(自らが)ゲッセマネを越え、カルバリを越えていったのです。
8 統一教会は、多くの困難に遭い、今後、三千万民族(韓民族)が遭遇する困難の峠を先に越えていかなければなりません。それが祭物の道です。祭物となって犠牲になることによって、死ぬしかない民族を生かすことができ、贖罪することができるのです。祭物になった人が困難な峠を越えながら、先に打たれ、先に犠牲になり、神様のみ前に血を流すことにより、その恩賜を受けて民族が復帰されるのです。また、それによって、祭物になった人は恩賜を受け、復活することができます。統一教会員たちは、そのような道を行かなければなりません。このような使命を若い人々が果たさなければならないのですが、やりたくないと思っています。
今回、民主世界を中心として世界を巡回しながら見てみたことは、ほかでもありません。どの国に神様はいらっしゃることができるのか、どの民族を神様は愛することができるのか、ということを考えながら見て回ったのです。どの民族も、神様を愛さなければなりません。今は、環境的に神様を忘れてしまいやすい社会的条件がそろっています。
9 お父様は、第一次世界巡回路程で、四十ヵ国を回りながら、大韓民国のためにたくさん祈りましたが、世界のためにもたくさん祈りました。ある国を訪ねていけば、その国の人々は、お父様を大韓民国の人とばかり考えます。彼らのそのような考えが何ヵ月、何日、何時間続くか、それが最も気になりました。歴史的・文化的背景が異なる環境で生きてきた人を、どのように感じるのか、日本に行く時に最も心配したことがそれでした。
お父様が、「私は韓国人であり、あなたたちは日本人だ」という感情をもてば、彼らもそのような感情をもつというのです。そのようになれば、いくら世界主義を主張しても、世界主義について実感できません。ですから、正にこのような問題に対して多くの祈りを捧げました。他の所に行ってぶつかるのは問題ではありません。最も原則的なことが問題です。日本に行っても、アメリカに行っても、どこに行っても、「他の国」という観念から抜け出さなければなりません。
四十ヵ国、百二十ヵ所の聖地を選定真の父母様は、一九六二年十月五日から七日まで、ソウルの青坡洞一街の旧本部教会を中心として、ソウル一円に五つの聖地を選定されたあと、そこの土と石を採取され、一九六五年に世界四十ヵ国を歴訪しながら各国の聖地を選ばれた際、そこに韓国から持ってきた土と石を埋められた。これは、韓国の首都ソウルの聖地を世界に連結し、精誠と勝利の基盤を同等な基準で分配するためであった。そして、真のお父様は、「三十六家庭、七十二家庭を探して立てて民族的中心をつくり、世界国家型である百二十家庭を立てたため、世界国家摂理時代に入る中で、四十ヵ国に百二十の聖地が必要だ」と語られた。聖地の選定は、人間が堕落する前に天地万物を創造した基準と同じである。それゆえ、アダムの勝利圏における心情基準で、天の子女の立場である宣教師を各国に派遣できるようになり、世界的活動基盤が整ったのである。
10 お父様の前には、神様の主権、神様の民、神様の地を探し出すべき世界的な使命が残っています。これを中心として忠臣になり、孝子になることが第二の使命であり、聖別をしなくても活動できる環境をつくることが第三の使命です。
この三つの使命を中心として、奉献式をしなければなりません。このために、聖地をつくらなければなりません。そうして、これを中心として一つになり、天と連結できなければならないのであり、そのためにお父様は、神様に代わり、イエス様と聖霊に代わる基準を探して立てなければなりません。そのあとで初めて奉献式をすることができるのです。
11 これから、統一教会の運勢は、国家を経て、世界的な運勢へと成長していくでしょう。もしこの国、この民族が受け入れなければ、世界が受け入れるでしょう。これから世界万民がもろ手を挙げて歓迎する歓声が、三千万の民族の胸に響く日が必ず来ることを確信します。
このような日を迎えるために、韓国に勝利の基盤を整える聖地を選定するようになったのです。聖地の選定は、蕩減復帰の原則によって、または神様の創造法度に従って行うのです。
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