真の父母様は、一九六五年の第一次世界巡回(真のお父様のみ来日)と、一九六九年の第二次世界巡回、一九七一年の第三次世界巡回の際に日本を訪問され、それ以外にも、数回にわたって日本を訪ねては、食口たちを激励された。特に、一九六七年六月十二日から八月十日まで、真の子女様と韓国の幹部を帯同し、日本を訪問された。
この日本訪問は、真の父母様の伝統相続に焦点を合わせたものであった。具体的には、第一に真の父母様のみ言、特に『原理講論』の相続、第二に信仰の相続、第三に祝福の恩賜の相続、第四にエバ国家としての使命完遂などであった。真の父母様は、六月十七日から二週間にわたって、中心幹部修練会を開催されたのに続き、七月八日から二十一日まで、地方巡回をされた。
1 私(お母様)は、皆さんに会った時、言葉で表現することのできない切実な心情でした。心は皆さんといつもつながっていましたが、言葉が通じないことが残念です。言語の疎通問題が今後、日本の統一教会内で問題になると思うのですが、ひとまず心を通じ合わせ、親しくなる期間をもって、似ている面を探し出していくように努力したいと思います。言いたいことはあまりにも多くあるのですが、この胸の高鳴る思いを、言葉ではすべて表現することができません。
2 お父様が一九六七年六月十二日、日本に行った時に感じたことは、信仰の本国に対する日本の食口たちの心を単一化しなければならないということでした。今までは、外国に出ていって宣教活動をする宣教師を中心に動いてきたので、一つの方向に向かって一定に進むことができませんでした。これをそのままにしておけば、時間がたてばたつほど、食口全体に良くない影響を及ぼすだろうと思わされ、また心配にもなりました。
今回、本部の幹部たちを日本に連れていったのは、地方ごとに派遣して、日本の食口たちと心情的な絆を結ばせるためでした。それで、日本に到着して二週間、修練会を開催し、その次は地方を十三日間、巡回しました。そのように過ごしたのちには、日本の重要な工場にほぼすべて行ってみたのです。なぜなら、私たちが宗教的な問題を中心として信仰運動を行うことも重要ですが、今後、韓国の国家発展という遠大な目標を念頭に置いて計画を立てなければならないからです。
それで、現在、日本産業界の実際の状況がどのようになっているのかを見ようと、十ヵ所以上の工場を訪問したのです。そこで感じたのは、韓国もこれからは国を挙げて団結しなければならないということでした。
3 一九六七年に日本に行った時、日本の食口たちの祝福問題について考えました。ところが、日本の食口たちは祝福を受けることは夢にも思っていませんでした。彼らは、もう二年ないし三年してから祝福をしてほしいとのことでした。それで、お父様は非常に満足しました。「自分たち個人のためよりも、心から日本のために生きることができず、心から活動することができなければ、神様のみ前に立つことができない」と言うのです。それはもっともな話です。
このような一つの事実だけを推し量ってみても、今、皆さんに新たな姿勢がどれほど差し迫って求められているかが分かります。したがって、神様が皆さんに対してどれほど大きな期待と願いをかけているかを、はっきりと知らなければなりません。
4 統一教会は、今まで日本民族から弾圧を受けてきました。しかし、お父様は一九六七年に日本に行き、大きな旋風を巻き起こしました。お父様が日本に行くというので、日本の新聞記者たちが私に会見を申し込んできました。国家の高官や首脳たちも、「会おう」と言えば快く応じてくれるので、私も会ってくれるだろうと考えたのです。
彼らはお父様のことを知りませんでした。私は、彼らに会ってあげませんでした。門前で追い払ったのです。すると、彼らは悔しく思い、あることないことを言いながら、統一教会について騒ぎ始めたのです。結局、一九六七年の日本言論界で話題の中心になりました。統一教会に関する内容がトップ記事になったのです。
5 お兄さんはお父さんの代わりであり、お姉さんはお母さんの代わりです。そのような気分をどれほどもつかが問題です。兄弟姉妹の間では、自分を中心として相手を批判しやすいからです。このような限界をどのように克服するかが、日本を離れるに当たり、心配されることの一つです。どのようにすれば、教会の指導者を父母様の分身として感じられるのでしょうか。教会の責任者を自己中心的に見つめず、神様と同じ立場から見つめなければなりません。教会責任者の成長過程や学歴などを見るとき、自分より優れていないこともあるかもしれません。ある面では、教会責任者が自分に学ぶ立場に立つべきときもあります。そのようなとき、普通の人々は、責任者を一から十まで批判するものです。お父様はそのような文化になることを憂慮しています。日本の教会に、父母のような心情をもった食口がどれほどいるかが重要です。お父様は、そのような食口たちが多くなることを願っています。
6 共産党が問題です。まず先に、韓国が立ち上がり、共産主羲に対して精神武装をしなければならないので、徹底的に教育させました。今や韓国が勝共の基準を確立したので、日本も今後、勝共問題を解决する出発点をつくらなければなりません。日本は様々な面で、重要な位置にあります。摂理的に見れば、韓国と日本はアダム国家とエバ国家です。堕落は、二人のうち、エバが先にしました。エバが先に、サタンにだまされたのです。現在、日本はそのような立場に立っています。したがって、日本が自分を中心とした思いで動いてはいけません。エバが、エバ自身だけのことを考えて動くのではなく、アダムと相談しなければならなかったのと同じです。日本の若者たちの中には、何も知らずに、共産党や左翼に友好的な人々が多くいます。そのような見解からすれば、私たちは重大な責任を担っています。私たちは共産党に対して、理論的に正面から立ち向かわなければなりません。共産主義に対して、民主主義が優秀であることを見せてあげなければなりません。今までは、ずっとアメリカが後方を守ってくれたために安全でしたが、今後、いつでも無防備状態に置かれ得るのです。そのようになれば、いつやられるか分からないというのです。中共がいて、ソ連がいるので、日本としても、きちんとした計画をもって、至急に対応しなければなりません。
7 東京に行ってみると、日本共産党の看板が赤い文字で書かれ、堂々と掲げられているのを街で目にすることができます。また、彼らは真昼にも東京駅の前や渋谷駅の前で、自信をもって共産党の宣伝をしています。日本の国会でも、共産党員たちは社民党と手を結び、自民党に対して闘争を展開しています。自民党が発議したものにはすべて反対するなど、国会でも共同作戦を行っているのです。彼らがそのようにするのは、日本の共産主義者と労働者、農民全体を扇動して、彼らを一つの道具として利用し、地下基盤を強固にしようというところに、その目的があります。共産主義者たちは、そのようなことに血眼になっているというのです。
8 お父様が日本を巡回するとき、どんなことがあったでしょうか。日本の原理研究会の学生たちが、学校まで辞めて「日本を救わなければならない」と言いながら、開拓伝道の活動をしているのですが、このことについて新聞ごとに大きな話題になっていました。彼らの父母たちが、それについて新聞社に、一方では反対する投書を行い、一方では賛成の投書をしていたのです。特に、ある新聞では、統一教会に反対する内容ばかりを報道しました。
それで、私たちは、「この新聞は左翼新聞なので、勝共路線をとる統一教会が思想的に自分たちと敵対する立場であるがゆえに、私たちの教会を謀略にかけようとしている」と主張しました。すると、また違う新聞は、「統一教会に反対する報道内容は、すべて事実とは相反する」と報道したのです。このように、言論機関にも私たちに反対する側と支持する側があります。
私たちを支持する新聞は、父母たちが私たちに賛成する投書の内容を報道しています。その内容は、「青年男女たちを必ず統一教会に送らなければならない。今まで統一教会に反対した新聞の記事は、すべて偽りだ。私たちの息子、娘は、そこに行って、これこれこのような点が良くなった」というものでした。それで、お父様の名が毎回、出てくるようになったのです
一九七三年、三度にわたる日本訪問真の父母様は、一九七三年七月八日に日本を訪問され、七月二十二日まで滞在された。この期間中、真のお父様は、七月十一日に狭山公園で静岡以北の食口たちを対象にみ言を語られたのに続き、十二日には兵庫県の宝塚研修センターで、名古屋以西の食口が集まる中、集会を主宰された。また、真の父母様は、八月七日から十日まで、二度目の日本訪問をされた。そして、十一月十七日から二十四日まで、この年、三度目の日本訪問をされ、第二回「科学の統一に関する国際会議(ICUS)」で演説をされるなど、多くの行事と集会を主管された。
9 日本は、二年以内に運命の審判を下さなければなりません。私たちは、いくつかの道を行くべき、重要な時点に立っています。後退することはできません。死を覚悟して、前進しなければなりません。作戦を変えなければならず、方向を転換しなければならない緊急事態に入っているのです。
改めて、決意を固めなければなりません。目的に向かって突進しなければ、日本は危険です。お父様が話したとおり、日本の情勢は流れていっています。アジア情勢も同じです。時間がさらにたてば遅いのです。一時間が惜しいのです。一時間、努力しなければ、数千年が飛んでいってしまう、悲惨な運命に置かれます。この一時間、一瞬が、危機に直面しているのです。皆さんにすべてがかかっています。
10 日本はアジアに連結される大陸を慕っています。その梯子であり、根拠地は韓半島しかありません。しかし、韓半島の上の方には北朝鮮があり、周辺ではソ連と中共が待ちかまえています。日本が被害を受ける瞬間、アジア全体が被害を受ける可能性があるのです。日本の使命は、エバ国家の使命です。自分が飢えても、アジア民族に経済援助、心情的援助をすることのできる国にならなければ、日本の将来はありません。それは当然の話です。「統一思想」を受け入れれば、日本民族は世界的な民族になることができます。日本は世界の先頭に立つ民族になるでしょう。新婦がお嫁に行ってよく尽くす場合、家のすべての世論(支持)が集中する主人になるのと同じです。ですから、日本は真の父母様と天に忠誠を尽くさなければなりません。それしかありません。使命を果たせば、日本は滅亡しないのです。
11 お父様が神様であれば、ここに集まった日本の若者たちを死ぬほど追い立てるでしょう。日本のために死ぬとすれば、その人によって、日本が本当に祝福を受けられるからです。神様は、万民のために死んだイエス様のように、犠牲となる人を祝福することができます。皆さんは歴史始まって以来、誰よりも深刻な立場で、強い愛国心と忠誠心をもって公的な立場に立ち、日本民族のために先頭に立つことを願います。どれほど素晴らしいでしょうか。どのみち一度は死ぬ人生をそのように生き、それ以上の真心を尽くした愛の心で死ぬという人がいるとすれば、永遠にこの一人を通して、神様は日本を祝福せざるを得ません。神の国は、皆さんの中からよみがえるでしょう。
12 日本は、アメリカ、フランス、イタリアなど、西洋文明圏に対して新しい先駆者となる東洋の代表国家になり得るでしょうか。日本は、「エコノミックアニマル」と呼ばれています。これは、気分の悪い言葉です。世界の多くの国が、世界の中に多くの名前を残してきましたが、日本は何を残しているでしょうか。日本は、日本のために生きています。このような日本人が、日本のために生きるのと、世界のために生きるのとでは、どちらが素晴らしいでしょうか。
日本人が世界のために生きようとすれば、過ぎ去った歴史を蕩減し、新しい伝統をつくらなければなりません。先祖たちが誤ったすべてのことを正していかなければなりません。ですから、皆さんは歴史的に先祖が犯した罪を蕩減復帰しなければなりません。現代の日本が犯した罪も、蕩減復帰しなければなりません。そのようにしてこそ、私たちの時代が来るのです。過去を蕩減できなかった人は、自分の理想的な現実を迎えることができません。日本がために生き、血と汗と涙を流しながら真の基準に符合する実績をもつことが重要です。完全投入しなければなりません。
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