一九五五年の三月から七月の間に、梨花女子大学と延世大学は、統一教会に通っているという理由で、教授と学生たちに「学校か、教会か」という二者択一を迫った。このとき、梨花女子大学の教授五人と学生十四人が、毅然と退職、退学の道を選んだ。そして、延世大学でも、教授一人が退職処分を受け、学生二人が強制退学になった。マスコミは、大学の対応について非難する記事を掲載した。当時、キリスト教と政府が統一教会を受け入れていたならば、国家的基準で新たな出発ができる基台が造成されるはずであった。
8 一九五五年に起きた梨花女子大事件は、挙国的でした。キリスト教と一つになった李承晩政権の五大長官(大臣)たちが、統一教会をなくすために総動員されました。
しかし、その闘いの舞台を克服したのちに、統一教会は暗々裏に内外の基盤を固めたのです。そこで勝利して現れ、キリスト教を否定し、大韓民国を否定して、新しいキリスト教の基盤を代わりに置き、すべての国家の国民を代わりに置ける再編成運動を繰り広げました。言い換えると、二世によって新しい統一教会、新しい国民の形成が可能になったというのです。
9 お父様は、神様を中心として、「人類の代わりに祭物となり、激しくむち打たれたとしても、人類を手放すことはできない」と言いながら、闘いに一人、責任をもってきました。
キリスト教が統一教会の言うことさえ聞いていれば、うまく回っていくようになっていました。七年以内に韓国がみ旨の中に立てば、世界のキリスト教を一つの方向に向かわせて、地上天国の理念世界と一致させるのです。キリスト教がお父様を迎えていれば、どのようになっていたでしょうか。梨花女子大と延世大は、アダムとエバと同じです。キリスト教の二世たちです。二世の核心を完全に握るのです。一世は堕落世界に半分が蝕まれています。昔はサタンが貴いものを取りましたが、今は神様が貴いものを取るのです。
10 梨花女子大と延世大事件の時、三ヵ月の間に梨花女子大がひっくり返るような出来事が起きました。三ヵ月の間に百人以上の学生が統一教会に通ったのですが、学校側が反対して通わせないようにしたため、「お風呂に行く」と言っては統一教会に行くようなことまで起きました。ですから、学校側が緊急対策を立てて防がざるを得ませんでした。それで、「統一教会か、梨花女子大か、二者択一しなさい」と言ったのです。どれほど切迫していれば、そのようなことを迫るでしょうか。統一教会に通う学生たちはみな、「退学する」と言いました。お父様が制したので、十四人だけが退学しました。その時、黙っていたならば、四十数人が退学していたでしょう。そうなれば、歴史的に問題を起こしかねないのです。そのような環境にありました。
11 梨花女子大の事件当時、あと六ヵ月あれば、三百人以上が暮らしていた寮が完全にひっくり返るようになっていました。燎原の火のごとく広がっていくのを防ぐすべがなく、学校全体がどれほど切迫していれば、学生たちに「二者択一しなさい」と言うでしょうか。二者択一を迫るなどということが、あり得ることでしょうか。ありとあらゆる子供たちがみな通っているにもかかわらず、「統一教会はいけない」と言ったのです。サタンが働いたということです。
それで、金活蘭(キムファルラン)総長が「統一教会について調査しなさい」と言って、そこの社会事業課長を務めながら神学や宗教問題について全権を握り、責任をもっていた金永雲博士を送りました。そのようにして金永雲が来たのですが、一週間で一八〇度ひっくり返ってしまいました。それで、学校に戻っていって話をするので、またキリスト教徒たちが来て、ひそひそささやくのです。じっと見ていると、み言さえ聞けば、すべてひっくり返るのです。ですから、一斉にひっくり返ってしまうことを恐れて、反対したのです。
12 梨花女子大の事件当時、寮にいた三百人以上の学生の中で、大勢の頭の良い学生たちが統一教会の原理のみ言を聞きました。このように、そっくりそのまま移ってしまいかねない状況になったので、梨花女子大が、あたかも火山が噴火したようになりました。ですから、大変なことになったというのです。
アメリカのメソジスト教会の財団から一年に数十万ドルすつ、それ以外のところからも様々な支援を受けていたのですが、その支援が打ち切られそうなので、これを歓迎することはできないというのです。ですから、政府を通してお父様をたたき潰すために、大統領まで動かしたのです。
13 六千年の春は一度だけ訪れます。いつでも訪れるわけではありません。アダムとエバを中心として、思春期というのは一度だけです。婚姻を決定する時まで春の風が吹くのですが、復帰摂理を中心として、数千年、数万年の歴史を経て、ついに韓国の地にその春の風が吹いたのです。梨花女子大事件もそうなのです。三百人以上の女子大生たちに風が吹き込んだのです。ですから、学校の塀を乗り越えたり、「お風呂に行く」と言って飛び出したりしたのです。
14 韓国は、厳しい日本統治下四十年の受難の道を経て、解放を迎えるとともに、アメリカを中心として宣教師たちと完全に一つにならなければなりませんでした。梨花女子大学と延世大学の事件が起きなければ、そのようになっていたでしょう。その大学生たちは二世です。お父様は復帰歴史をよく知っています。二世から逆に上がっていったというのです。
梨花女子大・延世大事件が起きなければ、その時、景武臺(キョンムデ)(当時の大統領官邸)と連結され、キリスト教全体が連結されていたのです。当時、金永雲氏は梨花女子大の社会事業課長でした。重要な教授たちがみな復帰されていたので、そこでは金活蘭総長が反対するようにはなっていませんでした。ところが、金永雲が報告をしたにもかかわらず、キリスト教の何人かの人たちが反対して、このような状況をつくったのです。
当時、梨花女子大と延世大さえ復帰され、反対していなければ、韓国のキリスト教はすべて復帰されるようになっていました。そして、その時、梨花女子大の五人の教授が退職させられ、十四人の学生が退学処分を受ける、歴史に類を見ない事件が起きたのです。復帰歴史はそのように大変なのです。その習慣化された伝統というものが、どれほど恐ろしいかを知らなければなりません。習慣化された伝統をもっているという事実が恐ろしいというのです。社会で暮らしてきたその風習や習慣がすべて残っています。神様は、それを認めません。新しく生まれた基準から出発するのは大変だというのです。
15 韓国で梨花女子大と延世大が統一教会をなくすために立ち上がるように、誰が操ったかというと、宣教師たちです。梨花女子大と延世大が、その時にお父様を中心として復帰されていれば、朴マリヤと李承晩大統領などの最高のリーダーを中心として、世界的な旗を掲げて登場できるように命令を下せたはずです。そうなっていれば、五千年の歴史を通して犠牲になった民族の上に訪れた天運を中心として、たった一度だけ受けた福をもって、国家創建とともに世界に号令できる盟主の立場に立つようになっていたでしょう。ところが、これをひっくり返してしまったのです。
16 梨花女子大騒動の張本人である金活蘭総長はどうなったでしょうか。それこそ患難を受けました。学校の教権という看板をもって、他の宗教団体を犠牲にしようとし、学生たちを犠牲にしました。正義に立脚したことではありませんでした。不義に立脚していたので、その代価を追及されるのです。
その時、金活蘭が統一教会を歓迎していれば、韓国は世界のすべての国家を踏み越えて、世界を動かす国家になっていたでしょう。四十年の歴史の重大な峠が、キリスト教を中心とした梨花女子大・延世大事件です。その四十年を失ってしまいました。
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