11 アメリカは、キリスト教というものが名前だけ残り、人本主義と拝金主義と共産主義が表面に立って国を動かしている立場にあります。今になってようやくアメリカ政府は、これがキリスト教にとって怨讐となり、キリスト教に反対するものになることが分かりました。国会では、宗教に有利な法の条文を何度もひっくり返し、自分たちの側に立って神様とは遠い立場に引っ張っていくことが分かりました。
ですから、お父様のダンベリー事件は、このような問題を掲げて、信仰の自由化運動による統合運動を提示できる良い機会でした。それで、監獄に入る前から信仰の自由化運動をするとともに、監獄に入ってからもキリスト教徒統合運動のための準備をしたのです。アメリカが持て余す共産主義に対処するための南北米統一連合運動(CAUSA)と、キリスト教再復興運動を中心にした神霊運動を連結させたのです。これがお父様の運動であり、統一教会の運動でした。
12 今までアメリカは、自分の国だけのためのアメリカだったのですが、それではいけません。世界のためのアメリカとして、世界を救い、世界をリードしなければなりません。ところが、世界をアメリカの支配下に置くことを願い、アメリカの利益を追求するために、神様も何もすべて放り投げたというのです。世界人類のための平和の世界創建ということを忘れてしまい、アメリカだけのための勝利的基盤を(国民に)相続させようとする態度をとってきたので、ここから神様の役事が離れてしまいました。神様が世界的に活動できる基盤が現れなかったというのです。
そこから、アメリカはだんだんと落ちていきます。それにより、カインが再び侵犯するのです。カインは、世の中の習慣性を中心とした伝統的な思想によって動きます。アメリカであれば、アメリカの生活を中心とした伝統があります。その習慣化された外的な世界基盤を中心として、そのもとにキリスト教をすべて追い込もうとするのです。ですから、その時からアメリカ政府がキリスト教に反対し、宗教の自由権を侵食して、学校で祈りを捧げることを問題視したり、キリスト教の学校に対する支援策を撤回したりするなど、次第に多の問題が現れ、それが、お父様がダンベリーに入る時に最高潮に達しました。そのような状況でダンベリーに入ることにより、初めて、そのようなことに対する覚醒が起きたのです。
13 イエス様の時代には、すべて失ってしまいました。弟子を失い、教会と国と世界と天地を失ってしまったのです。その失ってしまったものを、お父様がダンベリーから出てくることによって、すべて取り戻せる運勢圏になりました。これから世界を主導でき、リードできる実権をつくらなければなりません。
皆さんは八段階の蕩減路程について学びましたが、いつ誰が蕩減しましたか。皆さんができなかったので、お父様が長子の使命を果たすのです。アベルの証し人として、長子の使命を果たすというのです。このように、長子であるお父様を中心とした統一教会が、次子の位置から長子の位置に上がっていきます。昔の長子が次子の位置に立たなければなりません。逆さまにならなければならないというのです。
言い換えれば、長子だったサタン側のキリスト教が次子の位置に立ち、長子となった統一教会に順応してこそ、天の道理に従って回っていくことができるのです。蕩減復帰をしてこそ、長子権と次子権の基盤の上で父母様が世界的によみがえることができます。原理がそのようになっているので、この位置がなければ、世界を主導できる父母の世界圏が出てきません。サタンと闘って長子権を取り戻してくるのです。お父様が長子権を取り戻したので、長子と次子が回っていくのです。
ダンベリーに入った日は、一九八四年七月二十日でした。その時、黒人の代表と白人の代表が、お父様を中心として一つになりました。イエス様が十字架についた時は、イエス様を中心として二人の強盗が争いましたが、お父様の時代に彼らが一つになったという事実は、白人世界と黒人世界が連結される最上の橋が架かったことを意味します。
14 キリスト教の信者たちの中から、「神側にあるキリスト教が、政府や外的な人本主義思想、共産主義、唯物思想をもった人から指導を受けてはならない。キリスト教思想を中心として、アメリカを完全に元の体制に戻さなければならない」という覚醒が起きました。お父様がダンベリーに入ることによって、そのような運動が起きたのです。その運動も、組織も、お父様が始めたものです。
その時、七千人以上のアメリカの牧師たちを韓国に連れてきて教育しました。彼らは韓国に来て、「神様を中心としたキリスト教運動は、アメリカが一番ではない」ということを知りました。アメリカが一番だと思っていたのに、韓国のキリスト教が、外形的にではあっても、発展していたというのです。
15 私は、ダンベリーの獄中にいながら、七千人のキリスト教牧師の連合運動をしました。これは、旧約時代の七千の群れ、エリヤのところに残った七千人の群れと同じです。イエス様の時代にも、イエス様を中心として七千人が一つになっていたならば、イスラエルの国を動かしたでしょう。それを現実的自由世界の舞台で再現するのです。その時は国家基準でしたが、今は世界的基準なので、七万人の牧師を結集する運動を行うのです。
16 イエス様の前に、洗礼ヨハネを中心として七千の群れが結合していたならば、イエス様はあのように死ななかったでしょう。ですから、アメリカで七千人以上の牧師たちを中心として、三十二万人の聖職者に「統一原理」に関する内容を通告したのです。『世界への神の警告』という冊子を作って配布しました。そこには原理の秘密がすべて入っています。私の責任を果たしました。次子のアベル圏を中心として、長子圏を屈服させたのです。
監獄に入って、出てきてみると、「レバレンド・ムーンでなければキリスト教に新しい方向を提示してくれる人はいない」というのが、神学界の結論として出てくるようになりました。アメリカの朝野が、もはやお父様の思想でなければアメリカを収拾できないという結論を下しました。これからのキリスト教が行くべき方向、アメリカが行くべき方向を提示したのです。
17 イエス様の十字架路程の世界的な蕩減的同時性の時代を迎えたお父様は、仕方なく追われてダンベリーの監獄に入りました。それは、エリヤが祈った立場と同じです。アメリカのキリスト教が反対し、政府が反対しました。(お父様を)何とかしようと謀議し、自分たちのためにお父様が終わりになることを願ったのです。彼らは私の命を奪うことができなかったから奪わなかったのであって、奪える方法があったならば、ありとあらゆることをしてでも奪ったでしょう。しかし、自分たちの思いどおりにできなかったのです。
そこでお父様は、キリスト教の牧師を七千人以上集めて教育しました。原理の本から「勝共理論」「統一思想」、今まで語った重要な内容を抜粋して獄中で作った『世界への神の警告』という本も送ってあげました。
お父様が監獄に入ることによって、アメリカのキリスト教界では「政府が宗教を弾圧している」と言って、四十の教団が団結する運動が起きました。それで、お父様がいる獄中に入り、一週間ずつ自分たちも苦難に同参しようという「同苦の会」というものをつくって運動を展開するようになり、アメリカ全域で問題になったのです。
18 お父様は、ダンベリーにいながら、キリスト教の指導者七千人以上に対する教育を始めました。そのようにしてから、南北米統一連合運動を活発に展開し、また、キリスト教の牧師七万人を教育しました。四年間でそのようにしたのです。これが、キリスト教に基盤を築くための計画でした。
私たちがアベルの立場であり、キリスト教はカインの立場です。アメリカでキリスト教指導者たちと統一教会が一つになることによって、アベルとカインが一つになるのであり、キリスト教指導者たちと統一教会が一つになることによってアベルの立場になり、アメリカ政府はカインの立場になるのです。
これらを、神様の思想、真の父母の思想をもって一つにするのです。これが神様の目的です。このような基盤を築いたあとに、アメリカは本然の神様の側になるのです。アメリカの最後の目的は、神様の理想世界です。本然の地上天国です。それが最終的な目標です。それは、アメリカの目標であると同時にキリスト教の目標であり、統一教会の目標でもあります。このような基盤を築けば、世界人類を教育することは問題ありません。
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