11 イエス様が十字架で亡くなったあと、三日と四十日を合わせて四十三日の期間に、イエス様が死の中から復活するなどの役事がありました。本来は、一九八五年七月八日にダンべリーから出てくる予定でしたが、七月四日に出てきました。七月八日からきょうの八月二十日までが、正に四十三日になる期間です。
イエス様が復活したのと同じように、イエス様が取り戻すべき復活圏、キリスト教文化圏を実体的に取り戻すためには、この期間にすべて、統一教会員として完全に立たなければなりません。アメリカ国民も、この期間にすべて回らなければなりません。ですから、この期間にお父様が復活するのです。昔、イエス様の時にはイエス様の弟子たちだけが復活の栄光を受けましたが、今や実体的にアメリカ国民まで合わせて、その栄光に参与できる基盤ができなければなりません。
お父様のことをサタンだと思ったのですが、分かってみれば天の人であり、私たちが反対すべき人ではなかったことをアメリカ国民が知るようになりました。そうして、キリスト教が悔い改めて立ち上がるということが、アメリカの中で今始まっているのです。
お父様がダンベリーにいた十三ヵ月の十三数というのは、イエス様を中心として十二弟子を合わせた十三数と同じです。この十三数は蕩減復帰数です。けれども、西欧社会では十三数が一番悪い数になっています。しかし、今や完全に蕩減復帰をしたというのです。
12 私が監獄に入る時は命懸けでした。そこでは、人を一人片づけてしまうことは簡単なのです。神様にとって、私の命が奪われては大変なことになるので、行くやいなや天が配置した人々がいました。そのような謎めいた内容が多くあるのです。夜になり、私が寝床に入って眠るときは、私を守ってくれる人がいました。夜十二時から早朝四時まで、眠らずに守るのです。それは、人間がしてくれるのではありません。私がダンベリーを出て、社会に出ていくための中間訓練場であるハーフウェイ・ハウスに行ったときもそうでした。出る前に、既に霊界通信網を通して、私を保護できるように一週間前から準備していたのです。黒人一人と中国人一人が待っていました。私が夜十二時から早朝五時まで寝るとすれば、その人々は交替でテレビを見ながら、ドアの所でしっかりと守っているのです。見張るのです。誰が保護したのでしょうか。神様が保護してくださったのです。
13 私が監獄から出てくると、アメリカの立派な牧師が十二人来て、私をつかんで抱きかかえたりして大騒ぎでした。私は会ったこともなかったのですが、その人々は、なぜそのようにしたのでしょうか。挨拶もしたことがなく、一度も会ったことがないお父様に対して、なぜ涙を流しながら喜んだのかというのです。
それは、アメリカという国自体に対する羞恥心と、お父様が宗教者として偉大な実績を積んで、善の道を中心として闘争したその価値を考えたからです。
自分たちの一生と比較するとき、みな頭を下げざるを得ないというのです。話をしなくても、老いたその人々が涙ぐみ、その青い目から大粒の涙が落ちるのを見ました。自分が監獄から出てくること以上に喜ぶのを見ながら、「善の世界はこのような所から、このようなチェーンがつながって発展するのだな」と思いました。滅びるしかないアメリカに、私によって新しい輪ができたのです。
難破して流されるしかなかった船に、錨の綱をくくりつける輪を、私がつくってあげたというのです。取り除く者がなく、切る者がない錨の綱でくくりつけるとき、アメリカは生きるのです。お父様が正義の綱でアメリカを愛したので、断ち切ることはできず、アメリカは復活してよみがえると考えるのです。
14 私がダンベリーに行くことによって、世界的な総蕩減をしました。ダンベリーに行ったのは、地上世界の全体から反対されるのを代表する立場で、十字架を背負っていったのと同じです。その十字架を背負った目的は、霊界の統一と地上の解放のためです。統一が目的だというのです。
ですから、私がダンベリーに行く時には、アメリカをはじめ地上のすべての団体が動員されました。ユダヤ教からキリスト教、宗教すべてが、その次にはアメリカから世界各国、すべてが動員されました。何しろ、中央情報局(CIA)を通して二十五ヵ国を調査したのです。このようにして、条件があれば引っ掛けて押し込めようとしました。そのように、世界的に自分たちのもてる力を尽くして反対したのです。
私たちがそのように反対を受けたのは、霊界を奪い返すためです。霊界を奪い返すことが目的です。私たちの統一基盤を打って倒し、破壊しようとしたのです。そこでは、お父様とアメリカ政府は一対一でした。言い換えれば、アメリカ合衆国が原告になり、私が被告になって闘ったのです。そうして、これをひっくり返しておきました。この事実は、霊界が統一圏に入ってきたことを意味します。ですから、一九八五年から約三年間、霊界が地上と歩調を合わせていかなければなりません。霊界の統一圏が広がったので、地上と歩調を合わせていかなければならないというのです。
15 歴史時代の宗教者の中で、世界的に最も迫害を多く受けた代表的な路程を歩んだアベル的な一人の人物が、二十世紀後半に現れたお父様です。そのような路程を歩みました。ダンベリー刑務所に放り込んで「滅びよ、死ね」と言ったのですが、神様が助けてくださり、滅びることもなく、死ぬこともありませんでした。分かってみれば、人類全体を救うための義人だったというのです。それでみな、頭を下げるのです。
16 神様が今まで、サタンを屈服させられなかった原因はどこにあるのでしょうか。そして、人類が今まで、サタンを屈服させられなかった原因はどこにあるのでしょうか。たった一つ、サタンが主張することがあります。「私が堕落したとしても、本然の原則的基準における父母の心情から見れば、神様は私を愛するようになっていて、神様の息子も私を愛するようになっています。そのように愛してこそ、天国に行くようになっているのが原理原則ではありませんか」と言うのです。このように言ってくれば、神様はどうすることもできません。ここにすべて引っ掛かるのです。
「天国に入れる資格をもった者になり、完成した人間の位置に上がろうとすれば、私(サタン)を愛したという条件を立てなければなりません。そのようにしなければ、完成の位置に上がっていける道はありません」と主張するサタンの言葉に引っ掛かっているのです。
ですから、イエス様も十字架上で怨讐を愛しなさいと語り、お父様もダンベリーでアメリカ人全体のために祈って、愛の基準を立てたのです。
そのようにして、その愛の軸に、世界の数多くの民族が水平線で連結されています。アメリカに連結されたのです。アベルがすべて連結されたというのです。そのように連結された思想的基準の上では、サタンに侵害する権限はありません。
17 皆さんが復帰の道を行く過程では、豊かに暮らそうと考えることはできないようになっています。苦労しなければならないというのです。そして、夫まで監獄に送りながら、その夫のために精誠を捧げ、一家までも犠牲になろうとしなければなりません。そのような決意を固めるその場でのみ、天倫の歴史が連結されてくるのです。
今回、お父様は、お母様に対して有り難く思いました。ダンベリーを中心として、お母様はたびたび心情的に深い次元の谷間を経験しただろうと思います。そのように暮らしたので、基準が次第に上がってくるのです。今回、ダンベリーを通して、お父様の貴い価値がさらに分かるようになったというのです。
18 お母様が、私のゆえに苦労しました。監獄を信じることができますか。世界の共産党が狙っている状況なのに、そこは裸になって野原に横たわっているのと同じ立場なのです。お母様が涙を流しながら、そのダンベリーに毎日のように通いました。
イースト・ガーデンで生活しながら、涙を流さなかったと思いますか。日曜日の朝五時の敬礼式を行い、祈る時は涙を流しただろうと思います。子女たちも涙を流したでしょう。何のために、そのような涙を流したのでしょうか。
お父様はお金もあり、権威もあり、知識もあります。人々を指導することもできます。しかし、なぜ私がアメリカに来たのかというのです。なぜお父様が、争いを好む人になったのかというのです。それはひとえに、神様のみ旨のためなのです。
第六節 獄中での受難が示す教訓 復帰路程は蕩減の道
真のお父様は、準備されたキリスト教と中心人物たちが責任を果たせないことにより、六度にわたって獄中での受難を通して蕩減の道を歩まれた。そのような蕩減の道は、神様の恨を解怨成就しようという血と汗と涙の「天路歴程」(天国に向かって歩む道)であった。そして、真の父母様は、蕩減復帰摂理の縦的・横的八段階の過程を成功裏に締めくくられるのである。
1 復帰の道は、蕩減しなければなりません。復帰の道は、蕩減の道です。そこには、自分一身を中心として考え、「私はこのような立場でこのように生きなければならない」という観念がありません。全体的な観念がない中で、「天が残された受難の道を私が歩めずにいる」という事実を感じながら、一歩でも、より早くその受難の道を消化していかなければなりません。批判したり、難しいと思ったりすれば、消化できません。感謝の心をもって消化していかなければなりません。
皆さんと天の違いは、天は高く、皆さんは低いということです。ですから、自分はどのように天の掲げる位置に行くかを常に考えなければなりません。個人と天の違いは大きいのですが、どのようにして平準を取っていくかというのです。天は「私」を訪ねてこなければならず、私は天を訪ねていかなければなりません。私が天まで行くには、困難が大きいというのです。このようにして蕩減するのです。
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