真のお父様は、ダンベリー刑務所に収監中、世界の碩学の前で「共産主義の終焉」を宣言するように指示された。ちょうどスイスのジュネーブで「ソ連共産帝国の滅亡」をテーマに、一九八五年八月十三日から五日間、第二回「世界平和教授アカデミー世界大会」が開かれることになっていた。当時、大会を前にして、大会の議長を任されたシカゴ大学の政治学者であるモートン・カプラン博士に向かって、真のお父様はこのような宣言をするように指示されたのである。カプラン博士は、政治学者として、遠回しに「滅亡するかもしれない(maybe)」という表現を使うのはどうかという見解を表明したが、真のお父様は譲歩せず、「共産主義の終焉」を宣言するよう強く求められた。この預言どおり、一九八九年十一月九日、東ドイツの東べルリン国境にある五十余りの検問所が順次、開放され、二十八年ぶりに冷戦の象徴であるベルリンの壁が崩された。また、一九九一年十二月には、一九二二年から存続してきた、巨大な共産国家であるソビエト連邦の解体が宣言されるに至った。これにより、共産主義体制の終焉が現実となったのである。
1 お父様が「世の中がこのようになる」と言ったことは、すべて当たりました。世界は公式に従って発展します。「世界はどのようになる」と言えば、間違いなくそのようになるのです。「共産主義は、始まってから七十三年を越えられない」と言いました。これを四十年前から宣布したのですが、七十三年目に共産主義がきれいに吹き飛んでしまったのです。
お父様が予言をして、そのようになったのでしょうか。天地の大道の法度がそのようになっているというのです。それが正しいので、そのようになるのです。私が話をするとおりに世界は回っていきます。
2 ソ連帝国の滅亡をお父様は宣布しました。お父様がダンべリー刑務所にいる時、ジュネーブで開かれた「世界平和教授アカデミー」の世界大会で宣布したのです。その時、有名な政治学者であるシカゴ大学のカプラン博士が議長だったのですが、彼をダンベリー刑務所に呼んで、「ソ連帝国の滅亡を宣布しなさい」と言いました。
ところが、彼はリベラルな立場で本を十七冊書いたのですが、「自分がこのようなことを言えば、それらの本がすべて無効になるので言うことができない」と言うのです。そのように言いながら、「ソ連帝国が滅亡するかもしれない」というように、「するかもしれない(maybe)」という言葉を入れようというのです。
しかし、お父様は「駄目だ!」と言いながら、「見ていなさい。五年以内に共産党がどのようになるか。行って話しなさい!」と言いました。宣布をしてこそ、共産主義世界が崩れるのです。結局、五年もたたずに崩れました。
世界の学者たちは、お父様のことを理解できないと言いましたが、宣布してこのようになったので、「このようになるとは思わなかった」と言っています。最近になってようやく、「偉大な師です。尊敬して余りあり、私たちが知り得ない極秘の事実を、実践するための基盤を現実に築いた驚くべき、かつ歴史的な方です」と言っているのです。
3 共産主義を崩すことの先頭に立った人がお父様です。共産世界が倒れるようになったのも、お父様の功労であることを、世界の人々が知っています。日本の功労でもなく、アメリカの功労でもありません。
思想的に闘うには、思想をもって倒さなければならないのです。そのようにするためには、中国やソ連のような所で地下運動をしなければなりません。統一教会は数十年前から、中国とソ連で地下運動をしてきました。
それは、ソ連のKGB(国家保安委員会)や、中国の情報当局も知りませんでした。倒れてから「文先生の地下組織がロシアにあったのか」と言っているのです。そのようなことをしてきました。そういった背後の活動を人知れず今までしてきたのですが、結局、そういった結果になったのです。世界の情勢に合わせて準備したというのです。
4 ソ連共産党まで、お父様が解放しようと思います。闘いではなく、愛の論理をもって解放するのです。それが「神主義」であり、お父様の思想です。
その思想をもっているので、天下に羨むものがありません。孤独が占領することはできず、死亡の波はその前に色あせるのです。共産世界が総団結してお父様(に対する)除去運動をしていますが、お父様は行くべき道を知っています。この混乱した世の中を収拾する代案がどこにあり、生きる道がどこにあるのかというのです。
この世界を代表した一人の男性と女性が、神様の愛に従ってその良心が夢中になり、体が酔いしれて引かれていくというとき、人類がその男性と女性に従っていけば、すべて解決されます。それが大きくなれば、国が生じるのです。
5 お父様がダンベリーの監獄に入っていた一九八四年までのアメリカでの十二年間は、完全に共産化される方向に向かっていた期間でした。その流れをお父様が変えたのです。
共産勢力がアメリカを完全に足の裏で踏みつける限界の時が、一九八四年です。サタンはその時、お父様を監獄に放り込めば、自分の思いどおりになると思っていました。しかし、そのようにはならないというのです。お父様は法廷闘争をしながら「ワシントン・タイムズ」をつくり、「ソ連は滅亡するしかない」ということを発表したのです。
モスクワ大会真の父母様は、一九九〇年四月九日から十三日まで、ワシントン大会の直後に宣言されたモスクワ大会を開催された。モスクワ国際貿易センターで開催されたこの大会では、元職・現職国家首班四十数人をはじめ、六十ヵ国から来た言論人、政治家、学者など、六百人以上が参加する中、第十一回「世界言論人会議」と第三回「世界平和サミット」、第九回「中南米統合機構」会議などが行われた。
6 ソ連の国民に一番必要なものは神様です。無神論によって敗北者となったので、今からは神様のことを知らなければならないというのです。神様がそのように導き、お父様を立てて「通告せよ」と言われるその心情を知ったので、きのうは怨讐でしたが、自分の愛する父、母、兄弟に接する以上の心をもって、彼らに接したのです。
七十三年間別れていた親不孝者が、放蕩息子の身の上になって父母を訪ねてくるのと同じです。その放蕩息子と向き合った父母が、指輪と服を準備してはめてあげ、着せてあげたのと同じように、お父様がそのようなことをしたのです。
7 お父様はモスクワ大会を宣布したので、モスクワに行くための準備をしています。それで「科学の統一に関する国際会議」、「世界言論人会議」、「弱小民族協会」を設立し、その次に元首相協会を構成して、ソ連を訪問しようと思います。
訪問するときは、五十人以上の元国家首班および総理を連れて、お父様が団長として行くのですが、手を差し出せば、共産党の書記長が握手せざるを得ないのです。その時、私たちのヨーロッパ伝道機動隊員数千人を連れていって、モスクワ大会ができるのです。そのために準備をしています。
8 ゴルバチョフが改革・開放政策を標榜したのちに、ソ連のモスクワを大きく揺さぶる大会を行うのは、一九九〇年四月に行う「世界言論人会議」と「世界平和のための頂上会議」が初めてです。ソ連の外務省、KGB、ノーボスチ通信社などを中心として摇さぶるのです。
ゴルバチョフの重要な側近の一人が、お父様に話したことがあります。お父様は四十年間迫害を受けながら苦労したのですが、(その人が言うには、)自分がソ連に帰って『原理講論』を分かりやすく翻訳し、党を通して三千万冊だけ若い人々に分け与えれば、統一教会が四十年間で伝道した以上の若者たちが一瞬のうちに伝道されると思うということでした。
9 お父様はソ連に行って、ソ連を称賛したり、グラスノスチ(情報公開)とペレストロイカ(改革)に対して称賛したりしたのではありません。「神様を知らなければ、ソ連は滅亡する」と言ったのです。
神様が見つめていて、すべての霊人たちが今、「どのようになるか」と見つめている息詰まる局面なのに、そこに行ってソ連を称賛すればどうなるでしょうか。「私の話を聞きなさい!天に仕えなさい!」と言わなければなりません。そのようにしてこそ、霊界で「OK!」と言うのです。
10 モスクワ大会について、ノーボスチ通信社が「予想より十倍以上、成功した」と言っています。想像を覆したというのです。ソ連の歴史上にない、記録破りの大会でした。また、今回のことで、ソ連のKGBや政治局、ノーボスチ通信をはじめとする言論界などの各界の機関長たちが驚いたというのです。どのようにして、あのようなことをやってのけるのかというのです。共産党が一番だと思っていたのですが、覚醒したのです。
そのような意味で、お父様を本当に尊敬していたというのです。ノーボスチ通信社の貴賓として正式に招請され、プレゼントを贈呈されました。非常に感謝していたというのです。そのように、ソ連を一度揺さぶってきました。ですから、蕩減条件は余るほど立てたのです。
11 共産党を私の手で溶かしました。それは、世界がすべて公認するのです。民主世界も、今やお父様の手で救ってあげなければなりません。また、ソ連のゴルバチョフを救ってあげなければなりません。その冒険を顧みず、放蕩息子のような立場に立った人を、父母の心で救ってあげるのです。
金日成主席もそうです。一九八七年に、ゴルバチョフと金日成主席がお父様を亡き者にしようと暗殺計画を立てました。そのような、怨讐の中の怨讐です。その事件の調査もまだ終わっていないのに、白昼にモスクワに行き、北朝鮮に行ったのです。アメリカのCIAとFBIが驚いて、「どうか行かないでほしい」と言ったのです。しかし、宗教指導者としての責任があります。お父様が行って、その人々を救ってあげられるように舵を切っておかなければなりません。
12 一九九〇年四月九日から十三日まで行われたモスクワ大会を勝利したあと、私たちは全国的に真の父母歓迎大会を開催しました。モスクワ大会を勝利したなら勝利したで、その勝利が韓国の国民と何の関係があるのでしょうか。
モスクワ大会を勝利したのは、お父様個人のためではなく、統一教会のためでもありません。それは、韓国に勝利をもたらし、アジアに勝利をもたらし、世界に勝利をもたらしたのです。いくら大きな世界的勝利も、世界から始まって降りてくるのではなく、個人から始まって世界に上がっていくのです。今まで形成された歴史がいくら大きくても、その始まりは個人からです。
モスクワ大会を始めたお父様は、いったい何者なのでしょうか。摂理を経綸される神様のみ旨は、自由世界、民主世界を一つにすることです。神様のみ旨は、韓半島を一つにすることです。神様のみ旨は、分かれて争う宗教を一つにすることなのです。
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