「統一思想」は、今日の混乱した世界の様相をつくり出した、すべての誤った哲学と主義、思想を暴き、神様を中心に結束できる思想体系である。民主主義と共産主義の理念問題を克服し、国境と宗教、人種の問題などによって生じた各種の境界線を撤廃することにより、平和世界を実現できる思想として注目されている。一九七三年六月一日には、「統一原理」を思想的に体系化した理論書、『統一思想要綱』が発刊された。
22 三千万の民族(韓民族)を統一しようとすれば、三千万の民族全体を「統一思想」で武装させなければなりません。「統一思想」とは、お父様の思想です。この思想を三千万の民族全員に入れて、思想武装をさせなければなりません。今までは国家が統一教会に反対してきました。しかし、私たちは、「好きなだけ掘り出してみなさい」として、放っておくのです。彼らが掘り返すとしても、「統一思想」がこの国、この民族にあがめられる日が来るでしょう。世界万民が欽慕し、思慕する国をつくろうというのが「統一主義」です。必ずそのような時が来るでしょう。
23 今日、この世界は東西に分離されていますが、一つの中心を中心として互いに愛し合わなければ、世界が一つになることはできません。自分自体の国より、相手のほうが本当により貴く大切であるという、相対を尊重できる善の基盤が地上に現れるとき、初めて神様が願われる世界的な創造理想時代が訪れざるを得ません。この基準を通過したあとに、霊界を訪ねていかなければなりません。そのような道を教えてくれるのが「統一思想」です。
統一教会は、宗教という過程的な概念を超越して、良心と共に、心と共に、体と共に行動することによって、天倫の法度に一致して理念化できる、遠い将来の世界的基盤を築かなければなりません。「私」の家庭と氏族を経て、民族を越え、国境を越えて、自由な環境と世界への平面途上において歌を歌うことができ、神様を私の父として侍り、愛することができる善の王国をつくらなければなりません。世界万民がこのような善の王国が到来したことをたたえ、その国の国民になったことを天宙に永遠に賛美できる日を迎えなければなりません。それが、人類が願う幸福の理想世界を営むことであり、統一教会が模索していく終着点なのです。
24 今まで数千年綴られてきた文化史は、悲惨な歴史でした。今までの歴史は、サタンが神様に背反した歴史でした。しかし、神様が残すことのできる歴史の記録を、父母様の一代から始めるのです。父母様が今まで歩んできたものが、「統一思想」を中心とした伝統になっています。
父母様が成し遂げようとするその世界、父母様を中心として成し遂げられたその伝統の歴史を、皆さんがそっくりそのまま引き継ぎ、未来に残しておかなければなりません。父母様を中心として成し遂げられたことが、世界をすべて統一するのです。その母体が真の父母思想です。真の父母の伝統なくして、真の子女たちの歴史が出てくることはできません。文化の出発は父母から始まります。この短い期間が宇宙歴史の尺度になります。そのため、お父様は深刻です。
ですから、今に至るまで「『統一思想』の伝統的基盤を成立させなさい」と願っているのです。それを築いた基盤の上で、家庭が成立しなければならず、国家が成立しなければなりません。その主流思想は、自分を中心とした思想ではなく、全体を中心とした思想です。そのようにしながら、自分は全体のために犠牲になる道を行かなければなりません。これが「統一思想」の主流です。
25 地上で「統一思想」、「頭翼思想」を中心とした第一主義を中心に生きることが、結局は天上の完成主義の生活になります。地上で生きるとおりに天上世界に移され、完全に定着するようになるというのです。地上第一主義と天上完成主義の生活です。地上で幸せに生きてこそ、天上でも幸福だというのです。「人間の欲望は達成できない」と言うのですが、それは違います。真の愛をもてば、達成して余りあるのです。ですから、地上第一主義と天上完成主義の生活は、結局、真の父母を中心として、王権を中心として生活することによって成し遂げられるのです。真の父母の王権を中心として生活すれば、天上世界を完成するだけでなく、この地においてもあの地においても、永遠に保障される生活になるというのです。
26 個人の立場で世界的な十字架を背負い、ふらついても倒れてはいけません。倒れるとしても、家庭の基盤の上で倒れ、死ぬとしても、家庭の基盤の上で死ななければなりません。これが「統一思想」です。家庭は死ぬとしても、そこから家族を連れて氏族の垣根を越えなければなりません。また、氏族は滅びるとしても、民族の垣根を越えなければなりません。民族の肥やしにならなければなりません。あらゆる矢をすべて受け、あらゆる屈辱をすべて受けても、その悲惨な矢は天の栄光が約束されるものであり、悪の群れである怨讐の主権下にいる民がそのような事情を克服して立ち上がるときには、神様が誇れる民の伝統を立て、サタン世界に勝利の王国を建てることができる条件になるのです。
おなかをすかせながらも、腰の帯を締め、目の前にある怨讐の陣営を凝視して、一歩、二歩とよろめきながら歩んできた統一教会です。たとえ統一教会が滅んだとしても、統一教会が訪ねていくその国は滅んではいけません。ですから、皆さんを無慈悲に受難の道に追い立てているというのです。
27 今まで、人間世界では個人の相対観が異なり、家庭の相対観が異なっていました。この異なる相対観を総括的に収拾できる主流的な能力をもっているのは、神様の愛だけです。「統一思想」は、神様の愛と心情を中心として個人統一、家庭統一、民族統一、国家統一、世界統一を成し遂げ、最後には神様統一を経て、相対観を超越する世界を成し遂げようというのです。その時には、主権もありません。主権者が高いのでもなく、相対者が低いのでもありません。主権者は相対者のための存在であり、主体は相対のための存在です。そのような世界が来てこそ、今日、世の中で言う支配者や被支配者というようなすべての対立概念が解決するのです。
それは、ほかのいかなる論考を通してもあり得ません。ただ、神様の愛のほかにはないという結論が出てきます。今は、人間の愛にも相対観があります。「私はお金のゆえに愛する。何々のゆえに愛する」と言う人がいるのですが、それは純粋ではありません。ですから、相対観を超越できる神様の愛を尋ね求めていこうというのが「統一思想」です。これから民主主義世界も、共産主義世界も、この愛の基準に吸収させて一つにしなければなりません。そのようにしなければ、理想世界が訪れないのです
28 今日の世界が願うものがメシヤ思想です。民主世界と共産世界を一つにするのが、正にメシヤ思想です。カインとアベルが一つにならなければ、父母は復帰されません。誰がカインとアベルを一つにするのでしょうか。アベルがカインを一つにするのであって、カインがアベルを一つにするのではありません。アベルがこの世界を一つにするのです。私たちは民主主義の良い面と悪い面をよく知り、共産主義の良い面と悪い面もよく知っています。
「神主義」の良い面が、共産主義の良い面より、どれほど良いかを知らなければなりません。ですから、私たちはキリスト教を中心とした民主世界と、共産理念を中心とした共産世界について学んでいます。「統一思想」を中心として、これを統一しようというのです。メシヤ思想を代表するものは、中心的な真理であり、中心的な愛です。ですから、個人が行けば、個人的にメシヤ思想をもち、真理と愛によってどこにでも行かなければなりません。現在の困難と現在の混乱状態を心配するのではなく、これを克服しなければなりません。
そうして、真の真理と真の愛を拡張しなければなりません。それが、神様が願い、お父様が願い、人類が願う事柄です。それが私たちの義務であり、責任なのです。
29 どの国であれ、鎖国主義に進んだり、帝国主義を目指したりしてはいけません。その国家は世界に進まなければなりません。
大韓民国が統一された国として出発したとすれば、大韓民国で終結してはいけません。大韓民国一国から出発しましたが、世界が従っていける方向に進む、思想的な起源にならなければならないのです。そのような思想があるとすれば、それは人間の思想に一致するのではなく、神様の思想に一致するのです。
そのような観点で、統一教会は「統一思想」を主張します。この思想は、人から出てきたものではありません。その思想の骨子は愛です。私たちは愛を掲げて現れました。その愛は民族を越えた愛です。自分を中心とした家庭一元化運動ではなく、神様を中心として家庭を愛することにおいて、世の中のいかなる家庭を愛する度数よりも高い次元の愛を強調して出てきたのです。
これが可能になれば、これによって、新しい家庭を中心として歴史上になかった倫理観が形成されるでしょう。強い愛によって結合した倫理形態で、家庭の連帯が横的に発展すれば、これは氏族を越え、民族、あるいは国家を形成し、世界に影響を及ぼすことのできる主体的な心情的愛の起源をもって現れるでしょう。それは、全世界が公認するに違いありません。
30 「統一思想」を最初に書いたときは、本体論を中心に書きました。これを、お父様が「原相論に直しなさい」と言ったのです。原相論には、神相と神性に関することが出てきますが、それは宗教的な術語ではありません。学問的な術語として書いたのです。哲学は神様を知らないので、否定します。根本である神様が本来どのような存在かという内容が原相論です。「統一思想」には、理想家庭論と霊界論、天国論がありません。現在、十一の項目から成っていますが、それを入れて十三項目にしなければなりません。十三数に合わせなければならないのです。
Create your
podcast in
minutes
It is Free